Vol.60 2007.12この号の当選番号は55と99と146です。

サンタさんの贈り物
 
十二月といえば師走。お師匠さんも走りますが受験生も大変です。

家庭教師先の教え子もそろそろ目の色が変わってきています。

でも、そんな受験生にとってもクリスマスは特別。

その日ばかりは家庭教師をキャンセルしてのパーティになるそうです。

そんな魅力的なクリスマスなのですが、いったい何がそんなに楽しみなのでしょう?

子どもの頃はサンタさんからのプレゼントという絶対無比のお楽しみがあったのですが、純真な心を失った大人になるとそのお楽しみはやってきません。

まぁ人によっては彼氏や彼女やその他モロモロからサンタさん以上のプレゼントをもらうのが楽しみという方もいるでしょうが、少なくとも私の所にはそんなスーパーサンタさん(仮名)はやってきません。

なのにやっぱりクリスマスは楽しみです。

一体なぜ?

しかも、よくよく考えてみるとクリスマスの想い出は楽しいものばかりではありません。

大学の一年から三年までは怖ろしく散らかった友人の部屋でクリスマス番組見ながら腹がはち切れるまで鍋をつつくのが恒例でしたし、四年の時は卒論研究の真っ最中。窓のない実験室で夜中まで部屋中に飛び散った酸化アルミニウムの微粉末と戯れていた記憶があります。

社会人になってからも一年目は男三人で三角帽子をかぶって鍋をつつくという気色悪いことをやっていましたし、二年目に至っては予定していた女の子達が次々とキャンセルになったためにケンタッキーのスーパーバーレル(という名前だったと思うけど18ピース入りのでかいヤツ)を男三人で押し付け合いながら食べるという悲惨さでした。

ふ〜む。こうやって思い出してみるとクリスマスの想い出はやたらと食べてばかりです。

も・・もしかすると・・・・ 

クリスマスというのは、メタボ仲間を増やそうというサンタ一族の陰謀なのではっ!!

いやいやサンタさんはそんな悪い人ではありません。

ふだん節約一色の貧乏学生が食べきれないほどの鍋材料を買い漁るのも、バケツよりもでっかい容器に入ったチキンを買ってしまうのも、やっぱりそれが楽しいから。

食べるという幸せを、いつもよりもっとパワーアップしてくれるのがクリスマスなのです。

思えば学生時代から十年以上も続けた子ども劇場でやっていたクリスマス会でも、ゲームやプレゼント交換よりみんなが楽しんだのは食事会。

至る所に麺や具を飛び散らかして作った焼きそばや、市販のスポンジケーキをみんなでコテコテにドレスアップして作ったクリスマスケーキをみんなで食べる。

似たようなことなら他のイベントでもよくやっていたけれど、一番楽しいのはやっぱりクリスマス。

サンタさんが運んできてくれるのは、目に見えるおもちゃだけではありません。

目に見えない幸せもいっぱい運んできてくれるのです。

と、いうわけでこれからもKURIKURIはサンタさんに負けないよう、食べる幸せを色々作っていくことにしましょう。

ちなみに今月のデザートはリンゴ入りポテトムースを使ったプリンパフェや、華やかにフルーツやアイスクリームを飾ったあったかショコラなど新しい組み合わせに挑戦してみましたので、ぜひ一度試してみてください。

・・・え?ダイエット中だから食べられないって・・・

そこはもうサンタさんの厚意を無にしないためにも是非!

KURIKURI