Vol.68 2008.8この号の当選番号は100と133です。

 


ちょこまか論

セミの鳴き声でさえ「ぁじ〜、ぁじ〜〜」と聞こえるほど暑い日が続いていますが、私のほうは相変わらずチョコレートな日々が続いています。

先月号でも先々月のチョコ三昧の日々を書きましたが、先月も相変わらずチョコレート系の試作と試食の日々。

バファリンは半分が優しさで出来ているそうですが、今の私も半分はチョコレートで出来ています。

私は基本的に色白なのですが、もし褐色の肌になっていたら、それはきっと日焼けではなくチョコレート化の進行によるもの。

一皮むけば、中身はリアルに人型のチョコレート。

怖いような、おかしいような夏の怪談話の出来上がり。

あまりうれしい話ではありませんが・・・。


とにかく、先月号にも書いたようにチョコに凝りまくっているため、裏には世界各国のチョコが数十キロと積まれ、ネットショップでさまざまなチョコを買っては研究の日々を送っています。

まぁ、原料のチョコはその重量による圧迫感はありますが、賞味期限は遥か未来、あせって食べる必要はありません。


しかし、困るのはネットで買ったチョコレート菓子。

賞味期限が短いくせに、少量では売ってくれません。いつぞや買った「塩チョコクグロフ」なんか、とてもおいしかったのですが量が多く、一緒に買った「半熟チョコレート」も食べなければならなかったため食べきれず、残り三分の一ほどがしばらく冷蔵庫の中で「はよ食わんかぃ」と睨みを利かせていたほど・・・


そんなわけで先日、ちょっとずつおいしいチョコを買うために名古屋に行ってきたのですが、さすが大ナゴヤビルヂングの街名古屋、いろんなチョコが売っています。

ピエールマルコリーニは去年食べたので今年はやめておいて(実は予算の都合。パフェひとつで1680円もするので・・・・)、高島屋地下を中心にチョコハンティング。

すると、松坂牛を目前にしたライオンのごとき形相でショーケースを睨む姿に同情したのか、次々に試食をさせてくれるじゃありませんか!

ちっちゃなひとかけらとは言っても、もともとがちっちゃいくせに一個300円以上するものもあるのです。

つい「この一口で○○円!」などとランキンの楽園のようなことを考えてしまいます。

いやぁ、さすが大ナゴヤビルヂングの街(くどい!)気前がいいです、だてにコルク抜きみたいなビルが建ってはいません。


そしてチョコチョコと(駄洒落か!)試食した末、買ってきたのがゴディバのチョコアイスと、ドゥバイヨルのチョコマカロン。

ほかにもいろいろ買ってはきたのですが、とにかくこの二つがおいしかったのです!!

ゴディバのチョコアイスはハーゲンダッツを超えました。

うちのアイスはハーゲンダッツを目標においしさの研鑽を積んでいたのですが、上には上があるものです。富士山の山頂を目指して登っていたら、八合目あたりでエベレストの存在に気づいたような気分です。


そしてチョコマカロン。

普通に入力変換すると「ちょこまか論」と小さくまとまってしまいますが、このおいしさは相対性理論を越えてます(ってどんなんだ?)。

このマカロンは普通のマカロンと違って凍らせて食べるのですが、その口解けがたまりません。

普通のマカロンより一回り小さなそれを一口齧ると、ひんやり冷たいマカロン生地が香ばしい薫りを残してホロリと溶け、その直後にチョコレートクリームが「ちょっと待ってくれ〜!」と叫びたくなるほど素早く解けていくのです。


食べ終わってから早速チョコレートアイスの改良とチョコマカロンの試作に取り掛かったのですが、マカロン生地だけはうまくいきませんでした。

うちのオーブンは家庭用にしては大きいのですが業務用としてはあまりに小さいため、温度が安定しているのはケーキが焼ける真ん中あたりだけ。

スコーンでさえも端っこでは焼けないのに、繊細なマカロン生地では真ん中の一部でしかおいしく焼けなかったのです。

でも、アイスクリームはまた一段とおいしくなりましたし、口解け最高のチョコクリームも出来ました。

いろんなデザートの中で生かしていくつもりですので、見かけたらぜひ一度お試しください!
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