106号の当選番号は 017 024 034 112 143 です。

期待しちゃダメ

ご存知かもしれませんがこの「KUIRKURI通信」をお持ち帰りになるといいことがあります。
それは表についている「クーポン抽選券」。

当たると500円分のクーポンが貰えるのです。

「でも、ど〜せ当たらないし〜」と語尾を下げた声がどこからともなく聞こえてきましたが、それは誤解です。

毎月五人しか当選しないというのは確かに当たりにくいような気もしますが、KURIKURI通信の発行部数はたかだか毎月200部程度。

しかも最終日に残っている分もありますから、実際に持ち帰られている部数は170部程度でしょう。

そうなると当たる確率は34分の1。毎月クラスに一人以上は当選者が出るほどの確率です。

しかも翌月に来られなくても店内のバックナンバーで過去の当選番号がチェックできるのです。

ちょっとたたんでバッグにしまうだけの価値はあるのではないでしょうか?

ところで当選確率といえば、数学の世界には「期待値」というものがあります。

これは大雑把に言うと「平均していくら当たるか」ということで、現実社会に当てはめると一枚300円の宝くじの期待値は150円。

だから数学者たちは口を揃えて「宝くじを買うのは無駄だ」と言い張っているのです。

しかし、世の中は学問だけで成り立っているわけではありません。

確かに数学的には宝くじを買うことは、その半額をドブに捨てているのと同義です。宝くじを3000円分買っている人は理論上1500円を捨てていることになります。

しかし、宝くじを買う人は、クジそのものだけでなく、当選発表の日まで見ることの出来る「夢」や「妄想」も買っているのです。

たった二時間の映画でも1800円もするのですから、当選発表まで何時間でも好きなだけ「当たったらあれ買おう」と空想にふけることができるなら、安いものだとも言えるでしょう。

と、ここまで書いて気になったのですが「クーポン抽選券」の期待値はいくらなのでしょう。

ざっと計算した所約15円。

計算しなきゃ良かったと思えるほどショボい金額ですが、もともと無料のものですし、もし当たったらしばらくの間「どれにしよう〜♪」と楽しく悩める特典もついてきますので、ゼヒゼヒお持ち帰りください。

さて、理系での期待値はさておいて、世間一般での期待値といえば普通に「期待する値」です。

こちらの期待値は数学的なものとは余り縁がないのですが、おいしさとは結構縁があります。

例えばお昼ごはんにスパゲッティを食べるとします。ごく普通の喫茶店で、大して期待せずに頼んだのが意外に美味しかったりする事もたまにはありますが、そんな時はとっても得したような気分になります。

ところが、それと同じくらいの美味しさのものが本格イタリアンのコジャレたお店で出てきたりなんかすると、何だ普通の美味しさじゃないかとガッカリします。

また、コンビニデザートなんかも出始めの頃は「コンビニでこんなに美味しい物が買えてもいいのか!」と感動に打ち震えたものですが、食べ慣れてしまうと「今回のは期待したほど美味しくなかったな」なんて厳しい評価を下したりもしています。

そんな具合に美味しさは最初の期待値の高さがずいぶんと影響するもの。

このため新商品を作る側は、期待値が上がりすぎた商品を避けて新しいシリーズを出したり、全く別のものと組み合わせたりすることで期待値をリセットして、何とか美味しいと思ってもらおうとするものです。

さてさて、そんなことをうだうだ書いたのも今回の「栗パフェ」のため。

美味しい岐阜県産の栗をじっくりと蒸し、丁寧に裏ごしして作った栗アイスを使ったこのパフェは、とっても評判がいいので毎年秋の恒例になっています。

しかしそれだけにお客さんの期待値も上がりがち。

作る側としては自慢のデザートではある一方、不安なデザートでもあるのです。

そんな訳で毎年栗パフェは「何と組み合わせるか」に頭を悩ませます。

去年はチョコとの組み合わせでしたし、その前にはキャラメルだったり抹茶だったり・・・・。

そして今回決めたのは「紅茶」。

アールグレイのシフォンにロイヤルミルクティムース。

真ん中のアイスには口の中をリセットするためにパリパリチョコで食感にアクセントをもたせたバニラアイス。

最初の一口から最後の一口まで楽しめる組み合わせを作ってみました。

あ・・・・・・・もしかして・・・・・・期待値上げちゃった?


KURIKURI