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ゼロの恐怖

 「カロリーゼロは六倍太る」

ダイエット関連のネタでも書こうとネットで調べていたら、こんな衝撃的なタイトルを見つけたので、早速調べてみました。

その結果わかったのは、これはテキサス大学の研究結果で、0カロリーの甘味飲料を毎日700ml以上飲む人は全く飲まない人に比べて十年間でウエストサイズの増加量が5〜6倍にもなったということ。

細かい説明は省きますが、要するにゼロカロリー飲料を飲んで甘いモノを摂ったにもかかわらずカロリーが得られない状態が続くと、体はより多くの甘いモノを欲するだけでなく、入ってきたカロリーを溜め込もうとするために脂肪がついてしまうのです。

まぁ日本人の場合、毎日2缶分も甘味飲料を飲む人はあまりいないでしょうが、お腹がすいた時に0カロリーの甘味でごまかすのは避けたほうがよさそうです。

そもそも現在のダイエット界において、カロリー神話はすでに崩壊。

食べるのを我慢するダイエットではリバウンドの可能性が大きいことが分かってきましたし、全く同じカロリー量でも摂り方次第で太ったり痩せたりすることも分かってきたのです。

実際、「所さんの目がテン!」という番組でやっていた実験では、一日のカロリー量も運動量も以前と全く同じにして、一日五食に変えて二週間生活しただけで、平均5.6キロも減っていました。

ポイントは血糖値。

人はモノを食べれば血糖値が上がるものですが、その上がり方が穏やかならば人は元気になってエネルギーを消費します。

一方急激に血糖値が上がると人は元気になるどころか、過剰な糖分は体にとって危険なため、インシュリンというもの分泌して糖を脂肪に変えてしまいます。

そして一日五食にすれば、一回に食べる量が減るため血糖値があまり上がらず、一日元気に過ごしたために体重も減ったというわけ。

そしてもうひとつのポイントが夜。

この実験では五回目の食事が夜の八時で、それ以降は何も食べていません。人は夜の九時を過ぎると「おやすみモード」に入るため、血液に入った糖は元気になるためには使われず、脂肪生成に回されてしまいます。

以前のエッセイで、「昼のおやつは太らない」と書いたのも同じ理屈で、おやつ程度のカロリーなら昼は元気になることで消費できますが、夜の九時をすぎれば「今日は面倒臭いから、今度使えばいいや」とばかりに脂肪にして蓄えてしまうのです。

しかし一日の食事を五食にするのは大変。

作る手間や片付ける手間を考えると、それだけで十分ダイエットになりそうです。

要は血糖値を急に上げなければいい訳ですから、おしゃべりでもしながらゆっくりと食べればいいのです。

もし時間がないのなら、一番最初に野菜から食べ始めるだけでも血糖値の上昇は抑えられます。

さて、ここでやっと本題。

なぜ今回のエッセイでダイエットネタを探していたかというと、当店のハヤシライスにもダイエット効果があるとわかったから。

当店のハヤシライスには、私に老眼の兆候が現れて以来アンチエイジング効果の高い「玉葱の皮」の粉末を加えています。

そしてこの玉葱の皮に含まれている食物繊維が血糖値の上昇を穏やかにするだけでなく、ケルセチンというポリフェノールが脂肪の吸収までも抑えてくれるというのです。

まぁ、だからといってウチのハヤシライスを食べ続ければやせるとまでは言えません。

ただ、食べるときに「太っちゃうかも」という心配をしなくてすめば、よりいっそうおいしく食べることができるかなぁと言う程度の話です。
そしてついでに言えば、「血糖値もゆっくりあがるし、まだお昼なんだからデザートまで食べちゃっても大丈夫だよ」という悪魔の囁きでもあるのです。

さぁて宣伝も終わったので、あとは余談を少々。

カロリーゼロの飲料でむしろ太ってしまうことがあるように、ゼロというのは結構危険なもの。

私が大学生になったばかりの頃、「おめでとうございます。入会金ゼロ年会費ゼロで様々なサービスが割引になるゴールドカードがあたりました」という電話がありました。

そこで指定された場所に行くと若い女性が「おめでとうございます」を連呼しながら「あなたのような幸運な方こそ、このゴールドカードを使って通常の半額でこの英会話テープのセットを買って、このカードにふさわしい人物になっていただきたいんです」と50万円ものセットを勧められたのです。

お金がないからと断ろうとしても「このカードを使えば金利ゼロでローンが組める」だのと言って帰してくれません。

しかもいつの間にやら怖い顔をしたオジサンも部屋に入ってきているし・・・

何とかねばりにねばって開放されたのは四時間後。皆さんもゼロには気をつけましょう。

KURIKURI