133号の当選番号は 043 052 089 115 147 です。

昨日を明日に

 新年、あけましておめでとうございます。
 今年も、心の底からほっこりとできるお店を目指して頑張っていきますので、よろしくお願い致します。


と、一昨年と全く同じ挨拶から始めてしまったので今年は個人的な目標も一つ書いておきましょう。

今年こそ・・・・・小説家デビューするぞ~!

なぜこんな目標が出てきたかというと、最終選考にまで残ったから。

ありがとう文学賞というヒジョ~に地味な文学賞ではありますが、最終選考の五人の中に選ばれたのです。

前年は五人の最終選考者のうち二人が大賞を受賞し三人が出版されたという太っ腹なコンテストだったので、最終選考の通知を受けた後は受賞する気満々。

十二月中旬に発表されるまで、受賞の言葉を考えるだけでは飽き足らず、著者近影のポーズまで考えていたのに、今年はまさかの「該当者なし」という結果で落選。

賞金の使い道まで妄想していただけに落胆もひとしおで、このエッセイを書く気力さえも失いかけていたのですが、いつまでものんびりと落ち込んでいられるほど若くもありません。

ごきぶりホイホイの上で転んでしまった起き上がり小法師の如きスピードではありますが、何とか再び立ち上がり、このエッセイを書いています。

今年こそはこのエッセイで鍛えた筆力を武器に新人賞をもぎ取って、KURIKURIは小説家が経営するお店になることでしょう。

さて、そんな激動の十二月の終わり頃、名古屋にお出かけしてきました。受賞していれば祝賀会も兼ねての予定だったのですが、上記のていたらくなので超贅沢はできません。

リーズナブルなお値段で美味しくて店内の雰囲気もいいお店ということで選んだのは「資生堂パーラー」。

一人2000円少々できちんとダシを取ったソースが味わえるのが魅力です。

そして家族三人で別々の料理を注文し、コソコソと交換しながら色々味わってみた結果、今回の一押しはミートクロケットとビーフシチュー。

軽やかなのに滋味深いトマトソースを濃厚なクリームコロッケに絡めて口に運び、トロリさっくりとした食感を一噛み二噛みと楽しんでいたら、いつの間にやら飲み込んでしまっている程の潔いおいしさ。

そしてビーフシチューは煮溶けた野菜の甘みが優しいソースも美味しいのですが、舌でつぶせるほどに柔らかく煮込まれたお肉の旨みが、飲み込んだ後も口いっぱいに残るのです。

そんなおいしさを満喫した後は、東急ハンズを探検して腹ごなし。

便利そうなものから誰が使うんだ的なものまで雑多なアイテムに囲まれていると、なぜか学生時代のような気分がよみがえってきます。

そしてその後は、デパ地下に潜って最新スイーツをリサーチ。

クリスマスを過ぎていたのケーキ売り場は若干色素が薄くなっていましたが、それでも中日本最大の文化都市名古屋、最新モードのスイーツ達が覇を競い合い、大いに目の肥やしになりました。

さて、目を肥やした後は再び腹を肥やさねばなりません。

年末客でごった返す高島屋に見切りをつけて、たどり着いたのはミッドランドスクエアの紅茶専門店「Fortnum&Mason」。

ロンドン在住の知人の話によると庶民階級が出入りする店ではないそうですが、士農工商を廃した我がニッポンでは普段着の一般ピープルが気軽にお茶を楽しんでいます。

ただしお値段は当店の二倍ほど。

失敗するとショックが大きいのでメニュー選びも真剣にならざるを得ません。

英国本店と同じレシピがウリの商品が多いのですが、イギリスの食文化に関してあまり良い噂を聞いたことがありません。

やはり美味しいのは紅茶とスコーンだろうと決めたのですが、ちょっぴり物足りないので恐る恐るザッハトルテも追加。

かの国では甘いものはとことん甘いという噂だったので、どれほどドロ甘のザッハトルテが出てくるかと思いきや…意外にも普通の甘さでした。

そして期待の紅茶とスコーン。

紅茶は英国流に濃いめに出しているのですが、渋すぎなかったので水もイギリスと同じ硬水を使っているのでしょう。

そしてスコーンは英国淑女が精根尽き果てるまで喋り倒しても美味しく食べられるようなふんわり仕上げ。

甘めのジャムと甘みゼロのクロテッドクリームを塗って食べると小麦の香りが仄かに広がり、華やかな紅茶の香りとよく合います。

こうして年末の休日が過ぎ去っていったのですが、このまま終わらせるわけにはいきません。

味わったおいしさや贅沢なくつろぎ感は今後のKURIKURIに生かしていかなければなりませんし、見かけた光景や人々などは小説に生かしていかねばなりません。

今年もこれまでの経験を生かして新しいものを作っていきますので、これからもよろしくお願い致します。

KURIKURI