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今日は何の日

KURIKURIの夏はパフェ祭りの夏!毎週新作パフェが目白押し!

と、思いっきり断言してますが、毎年この季節は薄氷を踏む思いで過ごしているのもまた事実。

二週間に一回の新作デザートでさえ結構四苦八苦しているのに、パフェ縛りがある上に過去と同じものは作らないという制限を課しているので年を重ねるごとにネタ不足が深刻化してくるのです。

当然今年も例外では無く、梅雨入り頃には頭の中がパフェ一色。

本を読んでもテレビを見てもパフェのことが頭から離れず・・・・というのは大げさですが、常に頭の片隅に座敷童の如くパフェが棲みついていたのは事実です。

そんなわけで毎日ネットで様々なパフェの画像検索などをしていたのですが、ある日ふと思いつきました。

「そうだ・・・京都に行こう!」

今まで数え切れないほど京の都に足を運んでいますが、それでも行くたびに何らかのヒントを掴む事ができるほど美味溢るる街。

しかも苦しい時の神頼みとなる神様だって数え切れないほどおわす街でもあります。

これは行くしかありません。

しかも例年ならば娘の夏休みに合わせてしか行けなかったのですが、今年は修学旅行で数日家にいないので、その隙にこっそり行くことも可能です。

そんなわけで七月の上旬、京都に行ってきました。

まずは「田ごと」本店で腹ごしらえ。

だしのきいた繊細な味と、気配り溢れるプロの接客で気持ちを京都モードに切り替えたら、錦市場にて腹ごなし。

ここで色々買い食いなんかしたいところではありますが、今回の目的は新しい甘味を探すこと。

美味しそうな香りに後ろ髪どころか総髪余すところなく引かれまくったのですが、ラプンツェルの如き毛髪力で誘惑を振り、向かったのは町家カフェ「サロン・ド・テ オ・グルニエ・ドール」。

最近流行の町家カフェは、それだけに当たり外れが多いという噂ですが、ここは資生堂パーラーの総製菓長を勤めた経歴のある西原シェフの「パティスリー オ・グルニエ・ドール」の直営店、菓子力の高さはハンパありません。

席に着く前にショーケースでケーキを選ぶのですが、ライチや薔薇といった普段見かけないような素材のものも多く、次のお客さんが入ってこなかったら永遠に悩み続けていたことでしょう。

そしてなんとか選んだのが、「青梅のタルト」と「タルト・オ・ジュレ・ショコラ」。

そしてこれが大正解。青梅のタルトは青梅コンポートの強い酸味をナッツ系のベーシックな生地が柔らかく包み込み、噛むたびにじんわりと美味しさが膨らんで、飲み込むのがもったいない美味しさです。

ジュレ・ショコラは寒天を使ったチョコゼリーをガナッシュでコートして堅めのチョコケーキにのせた、タルトと言うには少し無理があるようなケーキなのですが、その食感が新しかった!

寒天で固めたといっても羊羹のような粘りのある堅さでもなく、かといって寒天ゼリーのように潔く崩れるわけでもなく、舌の上を滑るように崩れていくのです。

この新しい美味しさに他のケーキも全品食べてみたくなったのですが、他にも食べねばならない物があるため泣く泣く店を後にしました。

そしてその後色々巡ってラストのおやつは嵐山の「老松」。

ここのわらび餅は、それだけで岐阜から食べに行く価値のあるくらいの逸品なのですが、今回の目的は「夏柑糖」。

夏蜜柑の果汁を寒天で固めただけのシンプルなお菓子ですが、夏蜜柑が甘夏に押されて今や希少種となってしまったために超期間限定生産品なのです。

そのため例年我が家が京都を訪れる頃は販売が終わっており、いつも涙をのんであきらめていた幻のお菓子だったのですが、今回は時期が早かったため手に入れることができたのです。

そしてそのお味は・・・「鮮烈」という言葉がぴったりです。

寒天とは思えないほど柔らかいゼリーを口に含むと、甘夏やオレンジが失ってしまった深い酸味が舌を心地よくしびれさせ、シャープな香りが鼻腔の奥まで届いて嗅覚を目覚めさせるのです。

帰ってから寒天を使って色々試作を行ったのですが、寒天を使って檸檬や夏蜜柑のような酸味の強い物をうまく固めるのは困難でした。

それをとろけるような柔らかさでぎりぎりに固め、果物がもともと持っていた美味しさを、生で食べる以上に感じさせるという職人の技には感嘆せざる得ません。

そんな訳で寒天の美味しさに目覚めてしまったため、今回のパフェ祭りには寒天を使ったパフェが多いのです。

ところで寒天といえば思い出すのは江戸の三大改革。

「享保の改革」「寛政の改革」「天保の改革」の頭文字をを年代順に並べると「享寛天」で「今日寒天」。

「今日のおやつはプリンかな?」「いや、今日寒天」で覚えましょう。 

KURIKURI