161号の当選番号は 006 012 026 148 151 です。

頭を固める 

先月は五日に臨時休業を頂き、娘の入学式を見に行ってきました。

実はそのちょっと前に休みを頂いて行った大阪旅行が「入学式に行かない代わり」だったのですが、心のどこかに潜んでいた「親バカ魂」が暴れ出しまして、急遽臨時休業を取ることにしてしまったのです。

娘は前日に出発し、我々は早朝夜も明けきらないうちに起き出して一路奈良へ…。

しかしこれが「一路」とはいかなかった。。。

臨時休業してしまったのだから経費削減のためと名古屋高速→東名阪のコースを選んだのですが、途中清洲のあたりで「四日市渋滞45分」の表示が出たのです。

この早朝で45分…

朝ドラなら三話は見れますし、水戸黄門なら印籠を出し終わるまで見れるほどのタイムロスです。

しかし、一時間半は余裕を見て出発したのでまぁいいだろうと思ったのが失敗でした。

次に現れた渋滞予想時間は160分!!!!

スターウォーズを予告編からエンドロールが終わるまで見てもまだあり余るほどの時間です。

いや、そんな悠長な事言っている場合ではありません!!

名神高速道路に乗り換えるジャンクションはとうに過ぎてますから、まずは一般道に降りてから・・・と、同じことを考えてる人が一杯いて、出口は大渋滞。

何とか降りたもののUターンポイントがない!

そして何とか名神高速に乗り換えて、京滋バイパスを巨椋で降りて、こんどこそ一路奈良へ・・・と思ったらナビに騙された。。。。

青看板では左折のハズなのに、ナビは直進だと言うから従ったのに、交差点に入ってから「左折です」とか言い出したのです。

そして曲がり損ねた道は一本道でUターンはおろか曲がり角さえない有様。

結局奈良に着いたのは入学式が終わった直後。 正門の前についた時には大勢の親御さんが娘さんとの記念撮影をしている真っ最中でした。

まぁ入学式は見られなかったものの、この親娘ばかりの状況で娘に寂しい思いをさせなかったのは不幸中の幸いであると思い込むしかありません。

とりあえず一緒に昼ご飯は食べたのですが、午後はガイダンスがあるとかで次に自由になるのは夕方からとのこと。

仕方がないので奈良公園でお土産を買うなどしていたのですが、いくら鹿と戯れようと潰せる時間は限られてますし、まわりは中国語とおぼしき賑やかな会話ばかりで落ち着きません。

そこでヨメさんの提案で奈良ホテルのティールームに行くことにしたのです。

奈良ホテルと言えば、日露戦争に勝利して国際舞台に躍り出た日本を訪れる外国人のために建てられたという、格式高く歴史あるホテルです。

荒池を見下ろす小高い丘に建てられた和洋折衷建築の重厚な雰囲気に気圧されつつ中に足を踏み入れると、一瞬耳が遠くなったのかと錯覚しそうなほどの静けさ。

世界のVIPから日の本の畏きあたりの方々までが歩まれたであろう赤絨毯の廊下をすすみ、少し奥まったティールームへ。

ポマードでびしっと整えた髪に負けぬほど一分の隙もなく制服を着こなしたウエイターに案内された席は、細長いティールームの真ん中あたり。

窓際ではありませんが、だからこそ全ての窓が見渡せる位置です。

あたりの席にいるのは上品な若いカップルと、同窓会帰りとおぼしき高齢の方々が数組ほど。

空気を揺らす穏やかな話し声。

窓の外は満開の桜。

風に舞う桜吹雪。

時が止まるというのは、このような空間をさすのでしょう。

ここではちょっと変わった香りのロイヤルミルクティを飲み、お茶のケーキを食べたはずなのですが、深酒でもしてしまったかのように記憶が曖昧です。

そんなわけで、ここで味わった景色をうまく文章で表現することができません。興味のある方はお店のHPからリンクしている私のFacebookを訪れてみて下さい。

雰囲気に酔いしれているオッサンの姿も写ってますが、窓の外の風景も少し載っています。

さて、店を休んでまで出かけたのですから、この旅で得た何かしらのものを店に活かさねばなりません。

今回得たものと言えば…渋滞には気をつけろ…ナビは信用するな…歴史の重みは人を酔わすetc...

う~む。

渋滞はいかんともしがたいし、わずか18年しかないKURIKURIの歴史の重みでは漬け物石の代わりにもなりません。

ここはやはりナビで…といってもナビそのものではなく便利さに頼りすぎないということ。便利な材料といえば、例えばバニラ。

バニラビーンズ一本あれば、簡単にアイスやケーキに良い香りがつきます。

そこでバニラを使わないミルクアイスをデザートに使うことにしました。

と、試作も始めないうちに宣言しましたが、もしうまくいかなかったら…

頭を丸める代わりに、歴史の重みを形だけまねてポマードでびっちりと固めることにしましょう。



KURIKURI