176号の当選番号は 061 062 103 139 177 です。

主役は遅れてやってくる


本格的に夏!です。

夏といえば思い出すのがキャンプ。

大学生時代から10年近く子ども達をキャンプに連れて行く指導員をしていたので、灼熱の太陽を浴びると子ども達の歓声が耳に蘇るのです。

そしてその中でもっとも強烈なインパクトを残しているのが最初に行ったキャンプ。

キャンプといっても行き先はキャンプ地ではなくただの山の中。

電気はもちろん水道もトイレもありません。

沢の水が水道で、窪地に足場の板を渡して周りをシートで囲った場所がトイレなのです。

今ならそんなキャンプに参加する子どもなんか集められそうにありませんが、前世紀の子ども達にはまだ野生の血が色濃く残っていたらしく、40人近い子どもが参加していたのです。

そんな場所で三泊四日を過ごしたのですが、それはもうキャンプというよりサバイバル。

食事を作るだけで二時間くらい楽にかかりますし、その間何度も沢へ水汲みに降りなければなりません。

食事が終われば山の中に探検に行き、夜は怪談話に肝試し。就寝時間になったからといって安心はできません。

いたずらっ子は案外すぐに眠ってしまうものですが、おとなしい子がホームシックでなかなか眠れなかったりするのです。

そしてやっと寝かしつけて見回りにでると、テントの外に寝袋が半分ほどはみ出している子がチラホラ。

斜面にテントを張ったので、寝返りをうつたびにずり落ちてしまうのです。

そんな子達をテントの中に引きずり上げ、やっと眠ろうと自分のテントに戻ると、並んで寝ていたはずの子ども達は宇宙の法則に従って散乱し、私の寝る場所はありません。

そんなこんなで徐々に疲労が蓄積し、三日目の朝には子ども達にたたき起こされてやっと目が覚めるほど。。

しかし若さとは恐ろしいもの。

ここから驚異の復活をみせるのです。

昼頃にはまだ子ども達の食事作りを見張りながら夢の世界に溶け込むほどの朦朧状態だったものが、キャンプファイヤーの準備をする頃からテンションが上がりだし、丸太を運びながらスキップをするほど。

そしてキャンプファイヤーに火がついたらテンションMAX。

燃えさかる炎の上を色んなポーズで飛び越えるという、よい子は決してまねしてはいけませんし、いい年をした大人は決してまねしようとは思わないアホなワザを連発する始末です。

そして翌日もキャンプが終わってから打ち上げで焼き肉をたらふく食べていたのですから、前世紀の若者には汲めど尽きない無限の体力があったのかもしれません。

さて、この話で思い出すのが石油。

かつて石油は古代生物の体組織が変質してできた化石燃料と考えられていました。

そのため埋蔵量は限りがあり、「後○○年で石油資源は枯渇する」などと言われていましたが、今はそんなことは全く話題になりません。

何故かというと、石油が汲めども尽きないものだと考えられるようになってきたからです。

このことが発見されたきっかけは、汲み尽くしたために長年放置されていた油井に再び石油がわき出したこと。

その後生物の痕跡のない超深層から石油が採掘されたこともあり、今では石油は古代生物の化石ではなく、地中奥深くで自然に作られている化合物だという説が有力なのです。

とは言え給料以上に散財すればいつか破産してしまうように、生産量よりも多く消費すればいつか底をつく日が来るでしょう。

しかし、節度をもって使い続ければ永遠のエネルギーが得られるというのは心強い話です。

まぁ、その前に二酸化炭素の問題を解決する必要はありそうですが。

さてさて小難しい話は置いておいて、パフェ祭りのお話。

当店のデザートは、常に何か一つは新しいものを取り込むようにしています。

抹茶にチョコや木苺を組み合わせたように新しい組み合わせを試みてみたり、シャーベットやアイスクリームの製法を変えて口溶けを変えたりと、常に新しい「何か」があるようにしているのです。

今回のパフェ祭りでも事前に試作を重ね、常に新しい美味しさが生まれるように準備してきました。 しかし…。

つい調子に乗って節度を忘れ、給料以上に散財するがごとく、準備してきたネタを一つのパフェにいくつも詰め込んでしまったのです。

このままでは八月の終わりを待たずして、ネタが底をつくことは必定。

何とかしたいところではありますが、ネタ探しに出かける時間もありません。

このままでは旧作の焼き直しを出すしかないか…と思っていたら、心強い言葉を発見! 

『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家の荒木飛呂彦先生の言葉なのですが「アイデアはストックが尽きてから、限界を超えて絞り出したものからが本番」なのだそうです。

と、いうわけで…限界を超えた本番のパフェが八月後半に生まれる予定です(ホントかな?)。



KURIKURI