185号の当選番号は 075 106 138 187 206  です。

弾む美味しさ


何度も言うようですが、ネタ切れ寸前です。
長年二週間に一度新作パフェを作る生活を続けているのですが、この半年ほど開始前日まで組み合わせが決まらないことが頻発しているのです。
まぁそれでも出来上がったパフェは好評を頂いてることが多いので、問題は無いと言えなくもありません。
しかし、なんかボコボコに負けてるボクサーが苦し紛れに振り回した拳がクリーンヒットして逆転勝ちしたような感じで、あまりすっきりはできません。
それに夏には毎週新作を出すパフェ祭りが控えています。
五十を過ぎて毎週こんな綱渡りをやっていては心臓が保ちそうにありませんから、多少はネタのストックが欲しいところです。
そんなときはどうするか?
そうだ、京都に行こう!
理由は分からないのですが、何故か京都に行くと新しいパフェのアイデアが浮かぶことが多いのです。
その中でも特に相性がいいのが晴明神社。
羽生選手もお気に入りのこの神社は、めっちゃ努力した人には金メダルをあげちゃう程の御利益があるだけでなく、私のように羽生選手の爪の垢程度しか努力しない凡人にも、わずかなお賽銭で気前よく御利益を与えてくれるのです。
そんなわけで京都に行くことと相成りました。
しかし、色々と下調べをしてうちに目にとまったのが大阪にある「パンとエスプレッソと UTSUBO FACTORY」という長い名前のパン屋さん。
ここのフレンチトーストがどうしても気になって仕方なかったのです。
当店のフレンチトーストは担当している嫁さんの好みでフランスパンをさっと卵液に浸して作る「フワカリ」タイプなのですが、私が好きなのは食パンの芯まで卵液を染ませた「トロサク」タイプ。
そしてそのお店のフレンチトーストが、私の好みにドンピシャっぽいのです。京都行きというには多少誤差が大きい気もしますが、地球儀で見れば京都も大阪も同じ位置、これは行くしかありません。
と、いうわけで朝一番に大阪に行って朝食を食べ、ちょこっとデパ地下あたりで大阪のデザートトレンドを見て、京都に行って晴明神社にお参りし、美味しいお昼ご飯と美味しいおやつを食べて、山越えコースを通って琵琶湖を見てから帰る、という壮大な日帰り旅行に行ってきたのです。
まずはフレンチトースト。
このお店のイチオシは焼きたてをスキレットごと提供するタイプなのですが、これは限定20食しかない上に昼に配られる整理券が必要なのです。
そこで終日販売されているフレンチトーストを店内で頂いてきたのですが、これでも十分においしかった!外はカリッと香ばしく、中はフルフルと柔らかい!
たとえていうならクレームブリュレが近いような気もしますが、あんなに外はガリガリではありませんし、中もただとろけるだけでなく、トロトロにとろけつつも食パンの香りと食感がちゃんと残っているのです。
温め直しでもこれだけおいしいのですから、限定の焼きたてなんか食べたら大阪に移住してしまいそうです。
イヤイヤ、美味しいものは食べさせて貰うのではなく作るもの。
これだけおいしいものを食べたのですから、これを何とか今後のデザートに生かすことも考えなければなりません。
そして晴明神社にお参りしたあとは、市役所近くのフレンチレストランへ。
外人のおじいちゃんが一人でふらりとやってきてお昼ご飯を食べるようなアットホームなお店でしたが、料理は個性的で本格派。
ランチだけですっかり満足したのですが、黒板に書いてある「マンゴーとグレープフルーツのシャーベット」が気になってつい注文。
そしたらこれが美味しかった!
それぞれで作った二個のシャーベットが出てくるかと思ったら、二つの果汁をミックスした一つのシャーベットだったことにまずびっくり。
そして食べてみると、グレープフルーツの持つ苦みをマンゴーのトロリとした甘さが包み込み、二つの果物が見事に溶け合った新しい美味しさが生まれていたのです。
そこで今月のパフェに早速そのシャーベットを取り入れてみたのですが、これが意外に難しかった。。。
グレープフルーツとマンゴーの相性はいいですし、マンゴーとチョコの相性もいいのですからこれは鉄板の組み合わせだろうと思っていたのですが、グレープフルーツ&マンゴーシャーベットはどう頑張ってもチョコと相性が悪い。
チョコケーキならまだしも、チョコアイスやチョコムースだと完全にお互いの個性を潰し合ってしまうのです。
悩みに悩んだ末、一番上に先のシャーベットとグレープフルーツ果実を乗せ、中段をマンゴーメインにしてラストを二種類のチョコにしたら、これがビンゴ!
爽やかなフルーツ味から濃厚フルーツにシフトして最後はチョコで締めくくる。まるで何種類ものデザートを食べたかのような満足感が得られたのです。
さすが晴明さん!オリンピックで小説よりも奇なる奇跡を起こした後でも、しっかりと御利益を与えてくれます。
しかし・・・
次なるアイデアが浮かびません。
いかに気前のいい晴明さんでも百円玉一枚で一年分のアイデアをねだるのは無理があったようです。
今度行く時にはお賽銭を弾みますので、どうか美味しいネタをいっぱい授けて頂きたい!



KURIKURI