200号の当選番号は 077 118 135 149 208 です。

霊長類最強伝説


さ・・猿を笑えない。。。
朝三暮四という言葉があります。
昔中国で猿を飼っていたじいさんが、家が貧しくなってきたので餌代をケチろうとして猿たちに「明日から餌の栃の実は朝三粒夜四粒にします」と言ったところ、猿たちが激怒したので「それでは朝四粒夜三粒にします」と言ったら猿たちは大喜びしたそうです。
結局どちらも一日七粒なのですから、目先の量が増えることに惑わされた猿はアホやなぁというお話です。
さて、今年のパフェ祭りは、例年のように毎週新作を出すのではなく通常の二週間に一度の新作に加えて月ごとに新作を出すというものです。
この理由については先々月のエッセイ「波平の自慢話」に書いてあるので興味のある方は店内にあるバックナンバーを読んで頂きたいのですが、ざっくりと言えば毎週新作を出すのが大変なお年頃になってしまったということなのです。
要はちょっと楽したいと思ったということ。
しかし、そのパフェ祭りが始まってみると・・・案外楽じゃありません。
月の境に通常の新作パフェと月ごとのパフェが連続するので、三週連続新作パフェを考えなければならないのです。
これが三ヶ月あるのですから、三週連続が三回で計九週間。
去年までのパターンならば七週連続が一回。なんと苦しい期間が二週間も長いじゃないですか!
目先の楽さに惑わされて、トータルの苦労を見落としていました。。。
しかも朝三暮四なら餌の数は一緒ですが、これはむしろ悪くなっています。
それを「波平の自慢話」では「当初は自分が楽するためだけに考えていたのが、結果としてお客さんのためにもなっている。これを年の功と言わずしてなんというのでしょう」と誇らしげに語っていたのですから、大喜びしていた猿にも劣る知恵のなさです。
まぁ身から出た錆なので、頑張って最後まで新作パフェを作り続けることにしましょう。
そんなKURIKURIの新作パフェですが、アイスにケーキにゼリーはもちろん飾りのお菓子も手作り。
八月のパフェである「夏のお茶三昧パフェ」に使っている葉っぱの形をしたラングドシャは、それを作るための葉っぱ型も自作しているのです。
そしてそこで使っている「ほうじ茶」も珈琲同様に自家焙煎。
こちらに使っているほうじ茶は「かりがね茶」というお茶を焙煎して作っています。
一方パフェの中に隠し入れているほうじ茶アイスは煎茶を焙煎したもの。
何が違うかというと、使っている茶葉の部位が違うのです。
葉っぱの部分が少なく茎が多いかりがね茶で作るほうじ茶はとても香ばしく香り高いのですが、味わいとしては平板なのでバターを使った焼き菓子などに向いています。
一方葉っぱ主体の煎茶では香りはやや弱いのですが、味わいは珈琲のように複雑なのでミルク仕立てのアイスクリームに向いているのです。
ちなみに、更に高級な玉露や抹茶を使えば、いっそう複雑な香味をもったほうじ茶が作れるだろうと結構高価な抹茶を焙煎したこともあるのですが、そうは問屋が卸しませんでした。香りが薄いのみならず、旨味もすっかり抜けてなんとも味気ない物になってしまったのです。
さて、再び猿の話ですが、この猿たちは本当にアホなのでしょうか?
例えば会社の業績が悪くて今期からボーナスが減らされることが決まった時「夏のボーナスは45万で冬は60万」と言われるのと「夏は60万で冬は45万」と言われたならどちらが嬉しいでしょう?
トータルの額が一緒だから同じなのでしょうか。
私は違うと思います。
ボーナスを減らすほど業績が悪化しているのなら、倒産のリスクや転職のことなどを考えて、貰えるものは早めに貰っておいた方が安心だと思いませんか?
あの猿たちも餌が減らされると知って最初は腹を立てたものの、冷静になって少しでも先に貰っておこうと思ったのではないでしょうか。
そう考えると、後の提案で大喜びしたのも深謀遠慮があったのかもしれません。
抗議したにもかかわらず餌を増やしてくれない飼い主に見切りをつけ、他の飼い主を見つけるために脱走すべく油断させる作戦だったのでしょう。
なるほど、これほど知恵のある猿ならば私が負けても仕方がないか…。
イヤイヤ霊長類の長たる人類がそんな弱気では、遠からず地球はリアル「猿の惑星」と化してしまいます。
人類の尊厳をかけて考えなければなりません。
私の行動には、きっと何か深いわけがあるハズです。
そうだ!筋トレのインターバル理論があてはまるかもしれません。
筋肉は毎日負荷をかけ続けるよりも、強い負荷をかけた後に数日間の休みを取った方が発達するのです。
私のパフェ技術も、毎週新作を出すという強い負荷をかけた後に新作がない週があった方が、毎週新作を出し続けるよりも向上するに違いありません。
今まで気がつきませんでしたが、潜在意識でこんなことを考えていたような気がします。
そう、人類は猿なんかに負けないのです。
見たか猿ども!
人類の叡智の前にひれ伏すがよい!
ファハッハッハ!
・・・って、これでいいのかなぁ。。。。。。



KURIKURI