201号の当選番号は 017 087 172 182 217 です。

ドロボウの始まり


ご存じのように、日本には古来より分身の術というワザがあります。
しかし、夜間にこのワザを行った場合、西日本の方が東日本で行うよりも多くの分身を生み出せるということはあまり知られていません。
その理由はシンプルで、電気の周波数が違うからです。
電源に用いられている電気はプラスとマイナスを繰り返す交流電流ですから、電灯は絶えずチカチカと点滅しています。
人がそれを感じないのは人の目には0.1秒ほど残像が残るためにすぎません。
従って、電灯のチカチカに合わせ、暗くなった瞬間に移動して明るくなっている間静止していれば、相手の目には分身しているように見えるのです。
西日本は60ヘルツですから一秒間に120回のチカチカが起こるので、残像が残る0.1秒の間に12体の分身を作り出せます。
一方東日本では50ヘルツのために10体の分身しか作り出せないのです。
さて、今でも時々あるのですが、特にお盆の頃、KURIKURIでは夕方四時前後にオーダー終了の張り紙を出すことがよくありました。
一応表向きの理由としてはパフェ材料がなくなったことになっているのですが、実はたいていの場合この時点でなくなっているのは一種類のパフェだけ。
残り二種類はまだ出せることが多かったのです。
では何故こんな余裕のある状態でオーダーストップするのかというと、今流行の「働き方改革」のため。
もうじき22周年を迎えるKURIKURIは店舗のみならずスタッフの老朽化が進んでいます。
私なんか遂に波平さん越えの55歳。薔薇の花束よりも松の盆栽が似合うお年頃です。
まぁ薔薇の花束が似合った時期など一秒たりともありませんでしたが、タラちゃんほどの孫がいてもおかしくない年齢なのです。
そんなわけで老骨にムチを打つことがないよう、日をまたいで働くことを禁止することにしたわけです。
当店の新作パフェに使っているアイテムはだいたい一つのパフェにつき12~15種類ほど。
作り置きができるものもありますが、一種類のパフェが作れなくなる頃には他のパフェのアイテムも減っているので翌日までに10種類ほどのアイテムを作ることになります。
たった10種類?と思うかもしれませんが他に新作パフェの試作もありますし、パフェの他にケーキやハヤシライスのソースも作っているのです。
また食べ物以外にもこんなくだらないエッセイを書いたりHPの更新やPOP作りまで行っていますから、その作業数は星座占いに使う星座の数を遙かに上回る天文学的な量になるのです。
まぁ12しかない星座を上回った如きで天文学的と名乗るのもいかがなものかと思いますが・・。
ともあれ、これだけでも下手すれば12時には終わらない可能性があるので、早めに仕込みを始めるためにオーダーを終了させて頂いているのです。
まぁさすがにお盆を過ぎればそこまでの忙しさにはならないので、早めのオーダーストップになることも少ないと思います。
ただ、それでも新作パフェの切り替えが近い土日などにはオーダーストップすることもあるかもしれませんので、休日の夕方にパフェを食べに来られる方は、できるだけ早めに来られることをオススメします。
そしてこれだけ忙しいと、つい色々と無駄な妄想をするのです。
例えば釜爺のように6本の腕をもっていたら・・・
腕は6本でも脳は一つだから6本全部をきちんと制御することはできないでしょう。
たぶん働いているのは2本だけで後は背中をかいたり鼻をほじったりとサボりまくって、あまり効率は上がりそうにありません。
それなら分身がいれば・・・
と妄想した結果が冒頭の考察になるのです。
岐阜県は西日本で60ヘルツです。
そして厨房には窓がありませんから、条件的には夜と同じ。
ならばモーレツな訓練を重ねれば、最大12体の分身が作れるはずです。
12人がかりで行えば、6時間かかる作業だって30分で終わるはず!
これで忙しさとはおさらばです。
しかし、ランチタイムには二人でもガシガシぶつかってしまうほどの狭い厨房に12人もいればお互い邪魔なことこの上ないでしょう。
しかも、よくよく考えてみればこの分身の術は、動いているのは暗い間だけ。
明るい間は止まっているのなら作業効率は限りなく0に近いでしょう。
その上、誰も見ていない分身の術に何の意味があるのでしょうか?
想像してみてください、狭い厨房にひしめく12人のおっさん・・・・。
いかん、想像したらこの無駄の極致に男のロマンを感じてきた。。。
KURIKURIでは働き方改革の一環として定休日以外にも不定休を設けることにしました。
決まり次第HPや店のカレンダーに出すので確認して頂きたいのですが、とにかく疲れすぎる前に休むことにしたのです。
と、言うのは表向きの理由で、分身の術をマスターすべく修行の旅に出ているハズです。
今後もし私の姿がぶれて見えたら、それは目の疲れではなく修行の成果だと思って頂きたい。



KURIKURI