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何とかなる


この原稿を書いている時点で作っているのは「ショコラチェリーパフェ」。
アメリカンチェリーを使ったパフェは毎年のように作っているのですが、大量のチェリーを買ってからいつも思い出すことがあります。
それは「種抜き器を買っておけばよかった…」ということ。
栗剥きほどではありませんが、ナイフで切れ目を入れて二つに割り、残った種をくりぬくのは結構面倒な作業なのです。
種抜き器を使うと皮が破れてしまうので飾りには使えないのですが、コンポートにするなら問題ありません。
挟んでポンと押すだけの種取り器があれば何倍も楽なのは間違いないのです。
しかし、そのことを思い出すのはチェリーの山を目にしてから。
だいたい一日か二日で加工するチェリーは仕上げてしまうので、アマゾンで買ってももう手遅れです。
そんなわけで毎年何時間もかけて種抜きをするわけですが、今年はシャーベットにゼリーにソースにクリームにと色々使ったものですから、その量の多いこと。
途中で飽きてテレビなんか見ながらやったものですから、さらに時間がかかってしまったのです。
そしてその結果、普段なら紫に染まる指が、果汁が酸化してしまったのか真っ黒に。
見た目はほとんど猿の手です。
白く染まったのなら七匹の子ヤギをだますこともできそうですが、黒く染まった指では七匹の子猿くらいしかだませそうにありません。
そこで、さっさと風呂に入ってごしごし洗ったのですが落ちません。
仕方なく薄めた漂白剤を使うという、よい子は決してまねをしてはいけない方法で何とかしたのですが、来年こそは種抜き器を買いましょう!
まぁ絶対忘れるだろうとは思いますが。。。
 
話は変わりますが先日、SNSで大失敗をやらかしました。
事の起こりは筋トレ。
家庭教師の教え子男子が、休校で身体がなまって仕方ないというので、家庭教師が始まる前に30分ほど一緒に筋トレをすることにしたのです。
まぁ私としては普段家庭教師が終わってからやっているトレーニングを前倒しにしただけのことなのですが、若モンと一緒にやると張り切ってしまうのか筋肉痛が半端ありません。
しかも教え子の方は次来る時にはしっかり回復してるのにコチラはまだ痛みを引きずっているという情けなさ。
そこで、これをネタにして筋トレグッズの写真と一緒にフェイスブックに投稿したのです。
するとFB友から「実は細マッチョ?脱いだらすごいタイプ?」とコメントが来たので「実は胸囲1mのグラマー体型。ただ、脱ぐのは事務所的にNGなんです。」と、軽く返してしまったのです。
しかしこれは、物書きとしては失格です。
「事務所的に」というフレーズを使う以上、その前のフレーズは「バスト100のわがままボディ」とか「メートル級のダイナマイトバディ」にするべきだったのです。
せっかくの「事務所NG」が全くいかされていない、まさに画竜点睛を欠くとはこのこと。
皆さんもSNSに投稿する際には一呼吸おいて、自分の言葉に悔いが無いよう確認することをオススメします。
ちなみに私の筋トレは、芸能人やボディビルダーのように「見せる身体」作りのためのものではありません。
ジジイ向けの「転ばぬ身体」作りのためのモノなのです。
たとえ事務所がOKしても脱ぐわけにはいきませんので、悪しからずご了承いただきたい。
 
またまた話は変わりますが、先月の営業自粛期間中ヒマだったので店で勉強をしないかとSNSで募集しました。
そこで何人かの子がやって来て、たいていの子はその場で納得できるまで教えることができたのですが、唯一できなかったのが高校生。
物理と聞いて若干の不安はあったのですが、やってみるとやっぱり上手く教えることができません。
理系で大学を出たとはいえ、高校までは文系だったので物理は独学でしかやっていません。
解き方くらいは覚えていたのですが、納得して貰うには理解が足りなかったのです。
そこで一旦帰って貰って勉強し直したのですが、当時できなかったことでもトシを食えば案外理解できるもの。
次に来た時には笑顔で帰って貰えました。
まぁ一ヶ月もすれば忘れてしまうような気もしますが、久々に脳を絞り切った気分です。
私の脳トレのためにもなりますので、何か分からないことがあれば、どんな分野でもかまいませんのでどしどし聞いていただきたい。
 
さてさて、五月は一時営業自粛した上に世間一般も自粛だらけで外出もままならない状況でした。
そのため、このエッセイのネタも無いだろうと思って書き始めたのですが、結構色々あるものです。
店の経営の方も、売り上げの足しにでもなればと始めたパフェアイスの通販が、パフェ評論家の方に取り上げていただいたおかげで結構な売り上げになり、何とかコロナショックを乗り切れそうです。
 
そして今年もまたパフェ祭りをやることにしました。
いつもの2週間毎の新作に加え、七月から九月まではシーズンパフェとしてほぼ一月おきに3種類のパフェを出す予定です。
去年さんざんネタに苦しんだパターンですが、以前のように子どもの夏休みに合わせる事ができないのです。
自粛だらけのどんよりした世の中でも楽しいエッセイのネタは見つかったのですから、美味しいパフェのネタだってきっと見つかることでしょう。
世の中何とかなるモノなのです。



KURIKURI