213号の当選番号は 009 019 162 175 208 です。

素顔のままで


やっとパフェ祭りも終盤。
今「秋のフルーツパフェ」の試作を終えたところなので、三週連続新作は次の「秋のお茶三昧パフェ」とその次の「ショコラマロンパフェ」で終了です。
いやぁ長い闘いであった・・・。
とすでに過去形にしていますが、まぁあと二つなら終わったも同然。
今はパソコンの前で静かにキーボードを打っていますが、心の中ではハイジやペーターたちと輪になって踊っているほど浮かれているのです。
ともかく、次の二つを乗り切れば、あとは通常通りの二週に一度の新作・・・・と、ここまで書いて気が付いた。。。
お茶三昧パフェが終わった後は定番の「KURIKURIパフェ」に戻す予定なのですが、私の性格上もとのままに戻すはずがない。
たぶん新たな形のKURIKURIパフェになるはず。となると、またもや三週連続新作パフェがやって来るのかorz.....
 
これを読んでいる方からすると、たかだか新作パフェを作るだけで何を悩んでいるのか思うかもしれません。
しかし考えてみてください。パフェはうちの主力商品です。
もし、新作パフェの評判が悪く「KURIKURIのパフェ、マジ最悪www」なんてことがSNSで拡散されてしまうと売り上げが激減しかねません。
もしあなたが会社員ならば「社の命運をかけた企画を毎週こなさなければならない」と想像してみてください。
すんごいストレスだと思いませんか?
 
このストレスに加え、会社ならブラック企業認定間違いなしの労働時間。
しかも私は貧血のドラキュラレベルに血の気のない顔色をしていますから、さぞ肉体的にもダメージを受けているに違いない。
と、思われるかもしれませんが、意外に健康優良人なのです。
先日献血ついでに近くのショップで血流測定を受けてみたところ、血管の弾力や末梢血管の血流などすべての項目が適正値の範囲内。
測定してくれた方が「こんなにきれいに収まっているのを見たのは久しぶりです」と感心されてしまうほどだったのです。
献血の方も先月で50回目に達したのですが、その間基準値を外れたのはほんの数回だけ。
しかも微妙に外れただけなのです。
 
そんなわけで、意外に健康自慢なオッサンなわけですが、もう一つの自慢がこのオッサン顔。
十代の時からすでにオッサン顔というオッサン顔界では筋金入りのスーパーエリートなのです。
高校時代に友達と一緒に歩いていたにもかかわらず、私だけが選挙カーから握手を求められたほど。
そのクラスメイトは中1くらいに見えるほどの童顔でしたから、どうやらその親と思われたようです。
その件以来友達からは「四十代の顔を持つ男」として「怪人四十面相」とからかわれる羽目になりました。
そして子どもキャンプの指導員をしていた大学時代は、キャンプに連れていく子達と一緒に買い物に行ったら店員さんに「お父さんに買ってもらうの?」と言われる始末。
大学生にしてすでに四人の子を持つ父とみられていたようです。
しかし月日は流れ、年より老けて見られたオッサン顔は年相応のオッサン顔となり、波平さんよりも年上となった今では年より若く見られるオッサン顔となりました。
 
そしてもひとつ自慢が体内年齢。
五十を機に筋トレをはじめたのですが、体組成計で測った体内年齢がどんどん若返り、ついには二十一歳にまで到達したのです。
このままいけば「顔はオッサン、体は小学生」という、ちょっと不気味なコナン君状態になるかと思っていたのですが、結局二十代半ばで落ち着き、今でもそれを維持しています。
 
さて、話をパフェに戻すことにしましょう。
当店のパフェはまず名前から決まります。
毎月25日前後に翌月のランチの予定を出すので、その時にパフェの名前だけは決めるのです。
そして月初めにこのKURIKURI通信が出るので、表に書いてあるようなこところまでざっくりと内容を決めます。
そして直前にパフェを組み立てていくのですが、うちのパフェは一筋縄ではいきません。
フルーツパーラーならばフルーツの美味しさだけでガンガン攻めていくのもありですが、うちは喫茶店です。
チョコは単体で食べるより珈琲と一緒の方が格段に美味しくなるように、組み合わせの美味しさを追求するのです。
そして意外性。
期間限定パフェは二度と同じものを作らないので、ほとんどに人にとってはたった一度だけの、それこそ一期一会の出会いです。
一度だけの出会いなら見かけ通りの人よりも、見かけによらぬ人との出会いの方が記憶に残るもの。
ちょっと意表を突いた組み合わせの方が記憶に残ると思うのです。
 
パフェの組み立てはエッセイの組み立てにも似ています。
起承転結を考えて、最初の一口から最後の一口まで飽きさせない。
パフェもエッセイも人の笑顔を作るためのもの。
いつも楽しく悩みながら作っているのです。
そして私の若さの秘訣ですが、それはお客さんの笑顔にあると思うのです。
ドラキュラが人の生き血を吸うことで永遠の命を手に入れたように、私は皆さんの笑顔を見ることで永遠のオッサン顔&健康体を手に入れていると思います。
ですから、このご時世にマスクなしで笑顔を見ることができるこの職業は天職だと思っています。
ですので、おしゃべりの時はともかく、パフェを食べる際にはぜひともマスクを外していただきたい。
って、言うまでもないか・・・。



KURIKURI