220号の当選番号は 013 016 110 180 200 です。

挑戦者達


ふぅ、やっと今「春のフルーツパフェ」の試作が終わったところ。
あとは写真撮りと味の微調整を残すのみとなったので、今度はエッセイに頭を悩ませねばなりません。
月末にパフェとエッセイの締め切りが重なることは前々から分かっていたのですから、せめてどちらかでも前もって仕上げておけば楽なことは分かっているのですが、それができりゃ苦労はしません。
それに、同じものは二度と作らず常に新しいものに挑戦しているパフェに比べれば、同じネタでもちょっと書き方を変えるだけで何度も使い回せるエッセイはギリギリでも何とかなるものなのです。
 
ともあれ、まずは業務連絡なのですが、今までBランチで提供していたホットサンドを7日からしばらく休止致します。
最近パフェアイテムが増えてきたため、ランチタイムにパフェを作ると作業台の上はラッシュアワーの山手線状態。
平面だけでは飽き足らず、オーブンの扉などをフル活用して3Dで作業しているのです。
このためパスタ鍋かホットサンドマシーンをどかす事にしたのですが、ホットサンド系は「クロックムッシュ」などがあるのでそちらのランチタイムサービスを充実させてBランチを休止することにしたのです。
そしてただ減らすだけでは申し訳ないので、焼きハヤシに「こだわりチーズの焼きハヤシ」なるものも追加することにしました。
チーズ好きの方は是非ともお試しください。  
そして先ほど挑戦と書いて思い出したのですが、副業の家庭教師になかなかのチャレンジャーがやって来ました。
話があったのは昨年末。
もう受験まで二ヶ月程しかない時期です。
話を聞いてみると結構点数は足りないのですが、どうしてもそこを受けたいとのこと。
安全受験が主流のご時世に実力よりも上の高校を狙うとは、なかなかの心意気です。
普段なら多少の無理をしてでも引き受けるところですが、去年の緊急事態宣言の折にお店の収入だけでは生きていけなくなったので、家庭教師をめいっぱい引き受けていたのです。
もし私が殺せんせーなら超高速分身を使って何人でも同時に教えることもできたでしょうが、分身どころか残像すら残せない超低速生物の身ではそれもできません。
しかもその後客足がかなり回復したために店の仕込みも忙しくなり、時間的余裕はゼロ。
そこで私立単願の子の受験が終わってから始めることにしたのですが、教えることができる回数はわずか五回。
期末レベルなら何とかなっても受験レベルでは何ともならない時間です。
しかし彼は頑張った。一番悪かった英語に絞って教えたのですが、全く理解できなかったのが中の上くらいまでできるようになったのです。
結果として受験には失敗してしまったのですが、この挑戦は彼の人生に大きな力を与えたと思っています。
人は結果に目を奪われがちですが、身の丈に合った相手との勝負に勝った人よりも、強大な相手に挑んで負けた人の方が大きく育つと思うのです。
冒頭の文で「新しいものに挑戦している」なんてうっかり書いてしまいましたが、パフェの新作が出せなかったことがないということは、身の丈以下の勝負しかしていないということでしょう。
常に勝ち続ける勝負であればそれは挑戦ではなく、単なるルーティンワークに過ぎません。
「挑戦している」なんて偉そうなことはいわず、淡々と新作を作り続けることにしましょう。
 
ところで先ほど書いた「殺せんせー」なんですが、知らない人の方が多いと思うのでちょっと解説しておきましょう。
殺せんせーは漫画「暗殺教室」の主人公のタコ型超生物。
マッハ20の運動能力を持ちながらもエロ本に弱く「ヌルフフフ」と笑うというギャグキャラクターなのですが、その教育姿勢は素晴らしく私の理想の教師像なのです。
当然全刊そろえているのですが、何度読んでもラストシーンでは号泣してしまう程いい話なので、機会があればぜひ読んで頂きたい!
 
それにしても50を過ぎたおっさんが漫画に影響されまくっているのもいかがなものかと思われるかも知れません。
最近のエッセイを読み返してみてもコナン君やら鬼滅の刃など漫画ネタのオンパレード。
思い返せば中学時代はジャンプとサンデーで小遣いを使い果たし、高校になって増えたお小遣いでマガジンとビッグコミックが増え、大学ではバイト代を使ってさらに数種の週刊漫画を買っていた漫画人生。
食に興味を持ったのは「美味しんぼ」がきっかけで、会社員時代は「クッキングパパ」を片手に自炊をし、「コブラ」を見ながら筋トレに励んだものです。
数でいえば小説も負けじと読んでいるはずなのですが、影響を受けたのはやっぱり漫画。
私の場合文字を読んでも脳内でビジュアル展開ができないので、その影響もあるかも知れません。
 
そう、困ったことに私の頭はビジュアル展開ができないのです。
毎日見ているオノレの顔でさえ脳内再生できるのは3歳児が描く母親の似顔絵レベル。
味覚ならばレシピを見るだけでその食感に至るまで脳内展開でき、パフェの試作も七割方脳内で作れちゃうのに…。
ただ問題はその見た目。
ネットで見た美味しそうなパフェを参考にしているはずなのに一発でヨメさんのOKがでることはまずなく、毎回修正を入れて貰って何とか美しいパフェに仕上がっているのです。
そう考えると私も毎回勝負に負けているようなもの。
これなら堂々と「挑戦している」と断言しても良いでしょう。
そして、この敗北が将来大きく実を結ぶはずなので、今後のパフェもぜひ楽しみにして頂きたい!
ヌルフフフ・・・。



KURIKURI