221号の当選番号は 034 087 098 107 174 です。

誰がために


子どもの頃からず~と勘違いしていて最近知ったのが「クラリネットをこわしちゃった」という歌の意味。
「ぼくの大好きなクラ~リネット♪」から始まって「ドとレとミの音が~でな~い♪」と続いていくわけですが、最後まで聞くとどうしても全ての音が出てないことになるのです。
そこで私はずっと「パパから壊れたクラリネットを貰った歌なんだな」と思い「ひどいパパだな」と考えていたわけですが、これが全くの誤解でした。
パパはきちんと使えるクラリネットを息子に与えていたのです。
しかし息子はまだ小さかったのでクラリネットを上手に吹くことができず、壊しちゃったと思い込んでいただけ。
パパはその姿を見て「オーパッキャマラード(一歩一歩進むんだよ)」励ましている歌だったのです。
 
さて、このように意味が誤解されているものとして有名なのが「情けは人のためならず」ということわざ。
私も若かりし頃はすっかり誤解していて「人助けなんかしちゃ、その人のためにならないぜぃ」なんてクールぶっていたのですから恥ずかしい限りです。
そしてこのことわざの真の意味の引き合いに出されるのが「チスイコウモリ」。チスイコウモリとは名前の通り血を食料とするコウモリ。
ドラキュラみたいなイメージで怖い奴のような気がしますが、実は結構獲物に逃げられてしまうへたれキャラ。
しかもほ乳類のくせに空を飛ぶという無理な生活をしているもんだからエネルギーの消費量が半端なく、二日も獲物にありつけないと餓死してしまうというスライム並みのHPしか持っていないのです。
しかし彼らは、餓死しそうな仲間を見つけると自分の胃から食べた血を吐き出して食べさせてあげるという習性を持っているため、絶滅を免れているのです。
何て心優しい奴らなんだと涙しそうになったかも知れませんが、これにはちょっと裏があります。
学者さんがよ~く観察してみたところ、チスイコウモリは自分に血を与えてくれた奴にしか血を与えていないのです。
要するにチスイコウモリが仲間に血を与えるのは、自分が飢えた時に血を分けて貰うため。
情けは人のためにかけるのではなく、自分のためにかけているのだ!という「情けは人のためならず」を地でいく生き物なのです。
 
とまぁこのような話をネットで見かけたのですが、「情けは人のためならず」とはこんなドライなお話なのでしょうか?
イヤイヤそうではないでしょう。チスイコウモリがもし本当に、血を与えてくれた相手にしか血を与えないのであれば、この習性は生まれていません。
誰かが最初に「血を与えてくれていない相手」に血を与えているはずなのです。
まだ一度も血を与えてくれたことがない相手に血を与える。
そして、その相手が自分が飢えたときに血を与えてくれたならその恩返しの連鎖が続き、血を貰っておきながら血を与えてくれない奴はその連鎖から外れる。
そんなルールがあるのでしょう。
そして、与えられずとも血を与える個体が少なからずいるから、この習性は根付き、絶滅を免れているのでしょう。
 
話は変わりますが、当店では基本的にお客様が帰られるまでカップやパフェ容器を片付けません。
これはひとえにゆっくりと過ごして頂くため。
単に私の気が弱すぎるだけなのかも知れませんが、私は外食した時に食器を片付けられてしまうと帰らなければならないような気持ちになってしまうのです。
このため食器が足りない時や、乾くと食洗機の手に負えなくなってしまうランチの食器以外は、お帰りになられる時まで片付けないようにしています。
邪魔になる時にはおっしゃって頂ければすぐに片付けますが、見てるだけで楽しい気分になれるようなカップを取りそろえておりますし、食べ終わったあとのパフェ容器というのも案外美しいものです。
会話や読書の合間にカップを眺めたり、パフェ容器を見て美味しさの余韻に浸って頂けると幸いです。
 
また、同じような理由でアクリル板も設置していません。
これもやっぱり私の気が弱すぎるだけなのかも知れませんが、アクリル板を挟んでいるとゆっくり話ができないのです。
まず、物理的に隔てられているために距離を感じてしまいますし、アクリル板にうつる自分の姿を見るとどうにもこうにも落ち着かないのです。
そこで、ゆったりと落ち着いた時間を過ごして頂くために、当面アクリル板は設置しないことにしました。
ただ、換気にはしっかりと気をつけています。
入り口のドアは常に少し開いており、店内の空気は二台のサーキュレーターとエアコンの風で複雑な渦を巻いて循環し、20分ほどで入れ替わります。
このため微細な飛沫は他の人に届く前に拡散してしまい、濃度の高い飛沫を吸い込む恐れはありません。
ただ、このやり方ではマスクを通さない大きな飛沫を防ぐことができないのです。
そのためマスクをせずに大きな声で会話をしてしまうと、KURIKURIクラスターが発生してしまう恐れがあります。
今後もアクリル板を使わず、ゆったりとした時間を過ごして頂くために、おしゃべりタイムにはマスクの着用をお願いします。
マスクは自分自身をウイルスから守るためだけにあるのではなく、他の人のゆったりとした時間を守るためにもあるのです。
みんなの幸せな時間のために、そしてKURIKURIを絶滅させないためにも、静かな食事とマスク会話の徹底をお願い致します。



KURIKURI