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副反応に望みをかけて


先月15日の日曜日、第一回ワクチン接種に行ってきました。
巷では「磁石がくっつくようになる」といった科学を超越した副反応が噂されていたので「これはエッセイのネタになるに違いない!」と月曜日は店を休んでワクワクしながら待っていたのですが、ちょっと筋肉痛があっただけ。
がっかりしつつも新作パフェを仕上げ、定休日あけの水曜日の開店前、ついに事件は起きました。
なんと冷凍庫が全く冷えていないのです!
そうきたかぁ。。
さすが世界を震撼させたウイルスへの切り札、副反応のレベルが人知を越えています。
などと感心している場合ではありません。
リセットしてチェックしてみたところ、コンプレッサーは動いているのに冷媒ガスが循環していません。
電気的な故障なら力技で何とかできる事も多いのですが、ガスはお手上げです。
取り急ぎ店頭とネットに臨時休業の知らせを出し、業者さんに来て貰ったところ、部品の都合で修理は翌日になるとの事。
そんなわけで予期せぬ四連休となったのです。
 
ワクチン接種の事もあり、ここ数ヶ月はウイルスやワクチンについてかつてないほど調べまくっています。
しかし噂によるとインプットした情報は、アウトプットされることなく忘れ去られると、成仏できずに地縛霊となって末代まで祟る恐れがあるとの事。
そこでこの場を借りて、得た知識を極力わかりやすく語ってみたいと思います。
とりあえずウイルスはバイキンマンみたいなものだと思ってください。
バイキンマンはアンパンマンワールド(体内)に侵入すると他人の家(細胞)に勝手に入って各家庭に沢山ある3Dプリンタ-(リボソーム)で自分の複製を作って増殖し、家がパンパンになるほど増えると家をぶちこわして外に出て、またよその家に入って増殖を繰り返すという悪行の限りを尽くすのです。
それをアンパンマン(マクロファージ)やしょくぱんまん(好中球)といった元からいる白血球系の自然免疫細胞達が片っ端からやっつけていくのですが、それもなかなか大変です。
そこで名犬チーズ(樹状細胞)がとってきたバイキンマンの足型でバタコさん(ヘルパーT)が指示を出して記録を残すと共に、バイキンマンの足にだけシンデレラフィットする足かせを二週間ほどかけて大量生産するのです。
これがいわゆる抗体という奴で、この抗体が足にくっついたバイキンマンは身動きがとれなくなってアンパンチで空の彼方に飛ばされ、アンパンマンワールドに再び平和が訪れるのです。
そしてワクチンの話ですが、インフルエンザワクチンはバラバラにしたバイキンマンの身体をアンパンマンワールドに放り込むようなもの。
バラバラなので悪さはできないのですがアンパンマンワールドにとっては異物ですからアンパンマン達が排除すると同時に名犬チーズも型をとってバタコさんに伝え、免疫が獲得されるのです。
一方コロナに使われるワクチンはm-RNAを使っています。
m-RNAとはDNAに書かれた遺伝子情報をリボソームに伝えるいうもので、いわばパソコンにあるプリント情報を3Dプリンターに受け渡すUSBメモリみたいなもの。
このワクチンに入ってる情報は先の例でいくとバイキンマンの足の3D情報みたいなもの。
ワクチンを打つとこの足型情報が入ったUSBメモリがアンパンマンワールドにばらまかれ、バイキンマンのように他人の家に勝手に入ったあげく3Dプリンターを使って足だけを大量に作るのです。
この足は家を破壊する事なく窓や玄関から外に飛び出し、インフルワクチン同様に免疫が獲得されるのですが、一つだけ大きな違いがあります。
それは、バイキンマンの足が家の中から外にばらまかれた事。
バラバラになったバイキンマンは家に侵入できませんから屋外を漂っていただけですが、この足は家の中から外に出てきています。
それを見た名犬チーズがバタコさんに伝え、バタコさんは抗体を作るだけでなく最強の免疫細胞であるキラーTに足型情報を渡すのです。
アンパンマン達はよい子ですからバイキンマンがいると分かっていても他人の家には入りません。
抗体達と一緒に家の外で待機し、増殖して出てきたところをやっつけるのです。
しかし殺しのライセンスを持つキラーTは違います。
バイキンマン(の足)の気配を感じれば、容赦なく家ごと破壊してバイキンマンに増殖の機会を与えないのです。
m-RNAタイプのワクチンではこの強力な助っ人が得られるため、より一層強固にアンパンマンワールドの平和が守られるのです・・・・。
 
よし、これで供養は済んだので、いつ忘れても大丈夫。
もしこれを読んで免疫などに興味を持たれた方がいらっしゃれば、今月中くらいは覚えていると思いますので、ゼヒ質問して頂きたい。
さて冒頭の冷凍庫ですが、木曜日の午後には修理が完了しました。
これがおとぎ話なら「元気になった冷凍庫はシンデレラといつまでも幸せに暮らしましたとさ」とハッピーエンドになるのですが、現実はここからが勝負。
翌日までに全てのアイスを作らなければならなかったのです。
そして全てのアイスを手作りしている事が、時々早めにオーダーを切り上げる原因になっています。
この時はひたすらアイスを作るだけでしたが、通常はケーキやゼリーに加え次のパフェの試作まであったりするため、十分な量のアイスクリームを作っている時間がないのです。
ただ、もしかすると次のワクチン接種の時、謎の副反応でアイスクリームマシーンがスーパー高性能に変身するかも知れません。
そうなれば早仕舞いする事もなくなるでしょうから、夕方しか来られない方はちょっとだけ期待して頂きたい。




KURIKURI