232号の当選番号は 031 100 151 158 160 です。

ワクワクが止まらない


コレを書いているのは二月の終わり頃なのですが、二月と言えばバレンタイン。
私の若かりし頃はバレンタインと言えば男子にとっても女子にとってもドキドキワクワクのビッグイベント。
女子達は校則違反のチョコをいかにして校内に持ち込むかに知恵を絞り、男子達は一日に何度も意味もなく下駄箱や机の中をのぞき込んでいたものです。
私は中学三年の時、保健委員長として朝一番に保健室の鍵を開けて始業時間まで時間を潰していたのですが、バレンタインの朝に可愛い後輩がもじもじしながら入ってきたのです。
そして鞄を開けると、何やらカワイイ袋を取り出すじゃないですか‼

キタ━━━。゚+.ヽ(´∀`*)ノ ゚+.゚━━━! 

モテない一筋の我が人生にもついに春が到来です。
「あの、これ」と袋を差し出すと、「先生に見つからないように、放課後まで保健室に隠しておいてもらえませんか?」。
orz....やはり春は遠かった。。。。
 
そんな感じでチョコを受け取る方には縁がない人生を過ごしてきましたが、今や毎年バレンタインチョコを作りまくる身。
特に今年はコロナ渦ということもあってか売れ行き絶好調。
夜にやっている家庭教師を三回くらいお休みさせてもらわなければならない程チョコを作り倒す日々を送ってきました。
ケーキやテリーヌも大変だったのですが、何といっても大変だったのが生チョコ。
ウチの生チョコはとろける口溶けを出すために一旦完全に分離させてから再乳化させるという手間のかかる手法で作っているのです。
そしてそれをさらに大変にしているのが抹茶。
ほうじ茶や煎茶は普通のチョコと変わりなく作れるのですが、抹茶を入れるととてつもなく再乳化が難しくなるのです。
特に今年使った最高級の抹茶は難しく、一回だけですがどんなに頑張っても再乳化できずに廃棄する羽目になったほど。。。
 
話は変わりますが、メロスは本当に佳い男なのでしょうか?
家庭教師で中学生の教え子たちに読解力をつけさせるべく授業で教わっている小説の深読みをさせたのですが、その時出てきたのが「走れメロス」。
子供のころ初めて「走れメロス」を読んだ時には、メロスの正義感やセリヌンティウスとの熱い友情に感動しまくったものですが、今はちょっと違います。
改めて読んでみれば、メロスが短剣をもって王城に乗り込んだ情報源は夜道で質問した老人のみ。
しかも声を荒らげて体を掴んで揺さぶるという乱暴な方法で聞き出しているのです。
私なんか小心者ですから暗がりで胸倉掴まれて詰問されたら、あることないことしゃべってしまうに違いありません。
そんな強引なやり方で引き出した情報だけで、メロスは王を邪知暴虐と決めつけて激怒しているのですから、よほど思い込みの強い男なのでしょう。
そう考えるとその後の話も怪しいもの。
一夜にして橋が流されるほど氾濫した濁流を泳いで渡った直後に襲ってきた山賊三人を殴り倒すなど、ジェームスボンドやイーサン・ハントならともかく「笛を吹き羊と遊んできた牧人」であるメロスにできるはずがありません。
彼の妄想であると断言してもいいでしょう。
それに対して王は、こんなわけのわからん男の言うことを聞いてあげた上にギリギリまで処刑を引き延ばした挙句、二人の友情に感動して仲間にしてくれと言い出すほどですから、メロスなんかよりよっぽど良い男です。
ただ、気になるのは作者が本文でメロスのことを「佳い」と表記していること。
程度を表す「良い」と違って「佳い」には知性・品格(女性の場合にはこれに加えて容姿)も優れているという意味が含まれるハードルの高い漢字です。
太宰ほどの文豪が漢字をおざなりにするはずがありません。
今の私の読解力ではメロスはオノレの正義を振り回すだけのアホな子ですが、きっと深い意味があるのでしょう。
もう少し年を取ったらまた読み返してみようと思います。
 
さて、評価が変わったものといえば「台湾カステラ」。
私は大のカステラ好きではあるのですが、かつてスポンジケーキタイプのカステラで残念な思いをしたことがあるので、同じタイプである台湾カステラも大したことあるまいと思い込んでいたのです。
しかし年末に名古屋で見かけた台湾カステラはカスタードが挟んであるタイプ。
カスタードマニアとしては買わないわけにはいきません。
小さめのを一つ買って帰ったのですが、一口食べて大いに後悔したのです。
なぜもっと大きなのを買ってこなかったのか!と。
しっとりとした生地は弾力がありながらも歯切れがよく、カスタードのおいしさを最大限に引き出していたのです。
しかしその後コロナの拡大で買いに行くわけにもいかず…。
そんなわけで色々試作を重ねて研究し、美味しい台湾カステラが作れるようになりました。
さっそく「プリンアラモードパフェ」に使い、「春のフルーツショートパフェ」にも使うことにしましたので、興味のある方は是非食べてみてください!
 
それにしても人は常に変わるもの。
生涯チョコには縁がないと思っていたら、今や大量に作る立場ですし、中三まで下から数えて何番目だったのが今や家庭教師で教える身。
大学で真空流動層の実験をしていた時には、自分が将来喫茶店を開いてパフェを作るなんて夢にも思っていませんでした。
歳を取ったら変わり映えしない日々を送るのかと思っていたら、意外にワクワクは止まらないもの。
そして人のみならず当店のパフェも常に変化・進化し続けてますので、是非ワクワクしながら食べていただきたい!




KURIKURI