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ヨーロピアンスタイル


最近あまりにも冷凍庫が窮屈なものですから中を整理していたところ、なんと27種類ものアイスが発掘されたのです。
まぁその時は「秋色フルーツパフェ」に5種類のアイスを使っていたので、いつもより多いことは多いのですが27種類は多すぎです。
通常使っているアイスが15種類ほどですから、残りは新作の試作で作ってそのまま放置されたもの。
そりゃ冷凍庫も狭くなろうというものです。
しかしよくよく考えてみると15種類というのも結構多い。
普通のアイスクリーム専門店でも大手チェーンを除けば15種類以上あるところは少ないのではないでしょうか。
しかも、いくら種類があったところで専門店で多くの種類を一度に食べることは困難です。
たとえ五種類のアイスでさえも、一度に食べようと思ったら懐に正露丸を忍ばせる覚悟が必要でしょう。
一方、KURIKURIなら「秋色フルーツパフェ」だったらランチの後でさえ、五種類のアイスにフルーツやケーキやムースまでもが、胃薬の心配もなく、一度に味わえたのです。

話は変わりますが、「チャンスの神様は前髪しかない」という西洋の格言をご存じでしょうか。
教養セミナーなどでよく耳にする言葉で、チャンスを捕まえる機会は一瞬しかなく、通り過ぎてしまえばもう手に入らないという意味です。
しかし、このあまりにもかっこ悪い神様の姿は本当に正しいのでしょうか?
前髪なら掴むことができて、通り過ぎたら掴むことはできないということは、神様はこちらに向かってやってきているということ。
チャンスって向こうからやって来るようなものでしたっけ?
私のイメージではチャンスは常に探して求めていないと見つからないもの。
稀に探してないのに見つかることはあっても、素早く逃げ去ってしまってなかなか捕まえることはできない。
そもそも探してもいないのに見つかるということは、その陰でたくさんのチャンスを見逃しているはずなのです。
あ…なんかこんな性質の生き物を知ってる気がする…。
普段は物陰にひそみ、たまに見つかると素早く逃げる…その名はG…。
こんな姿の神様は捕まえたくないので、やはりチャンスの神様は多少かっこ悪くとも、前髪オンリーの姿のままでいて頂くことにしましょう。

さて、チャンスは自らの手でつかみ取るものですが、ピンチは求めてなくても突然やって来るもの。
その日は、いつものように夜の仕込みでアイスクリームの準備をしていました。
いつものようにタネを作り、アイスクリームメーカーにセットしてスイッチオンしたところ・・妙に静かです。
見れば撹拌用の羽根が回ってないじゃないですか!
モニターは明るいので電気は来ています。
容器を外して中を触ると冷えていたので冷却系統は生きています。
ただ・・・回転モーターだけが動いていないのです。
この時はまさに秋色フルーツパフェだったのでアイスを五種類も使っており、その日のうちに三種類は作らないと明日はパフェが作れません。
道は二つ。
冷凍庫とミキサーを使って強引にアイスを作るか、修理するか。
実は以前にも同じ型のアイスクリームメーカーが故障し、その時はあきらめて冷凍庫を使って作ったのですが、時間は倍かかりました。
ただ、その時壊れたのは冷却系。
私の知識ではガスを扱う冷却系は直せなかったのです。
しかし今回は動力系。
そこで閃いた!
この時壊れたマシンの動力系は生きていたハズ。
ならばそれと動力系の交換するだけで修理できるに違いないと。
結局30分とかからず修理は完了し、ピンチは尻尾を巻いて去っていったのです。

そして再び話は変わりますが、最近の休日はもっぱら栗を剝いて過ごしています。
秋のデザートだけなら10キロも剥けば十分なのですが、定番のKURIKURIパフェを来年の栗シーズンまで続ける予定なので大量の栗が必要なのです。
しかし、単純作業が苦手な私にとって日がな一日栗を剥き続けるのは苦行以外の何物でもありません。
そんなわけで栗剥きタイムはもっぱら映画やドラマを見ながらの「ながら剥き」をしています。
とはいえ、栗の色や香りもチェックしなければなりませんから画面から目が離せない字幕入りや感情移入して号泣するような良作は不向きです。
そんなわけで評価が微妙な邦画を選んでみているわけですが、失敗したのが「Diner」という作品。
元殺し屋のシェフ・ボンベロが「俺はここの王だ、砂糖の一粒までもが俺に従う」と豪語しながら、客である殺し屋たちの心と胃袋を魅了する美しくて美味しい料理を作るという無茶苦茶な話です。
しかし、とにかく映像が美しく、そしてボンベロの料理にかける情熱に共感しまくってしまい、栗を剥くペースが半減してしまったのです。
そして私の方は、砂糖どころかアイスクリームメーカーにまで歯向かわれるほどのド平民ですが、美味しさにかける情熱は負けちゃいません。
すべてのアイスを自作するのはもちろん、使うほうじ茶さえもアイスを作る直前に自分で焙煎するほどこだわっているのです。
ボンベロのように食べた人の人生を変えるほどのものは作れませんが、食べた日をちょっとだけ幸せにできるくらいのものは作っていると自負しています。
ただ、新作パフェが食べられる期間はわずか二週間。
うかうかしていると食べるチャンスを逃してしまいます。
とはいえ、うちのパフェチャンスは神出鬼没のG型ではなく、HPを見れば事前にわかる西洋型。
気になるパフェを見つけたら、ゼヒ前髪をひっつかんで来て頂きたい!




KURIKURI