Vol.7 2002.7.1 この号の当選番号は112と172です。
混ぜ方の問題
KURIKURIの「カボチャのタルト」の皮には、カボチャの皮の粉末の他に抹茶が入っています。
その抹茶は「さみどり」という30g八百円の中の上クラスの抹茶を使用しているのですが、ある時バローで「お茶三割引セール」があったのです。
そこで張り切って買いだめしておいたのですが、その中に一個間違って30g千二百円の「小倉山」が紛れ込んでいたのです。
一個千二百円といえば三割引にしたって「さみどり」よりも高価な代物です。これはもう「飲んでみるしかない!」と思ったのですが、ウチには抹茶道具がありません。
そこでヨメさんの実家に「小倉山」を持って遊びに行ったのです。
立派な桐の箱に入った道具を出して貰い、見よう見まねでシャカシャカやって飲んでみたところさすが壱千弐百円也!とてもいい香りです。
「う〜んさすが小倉山〜」などと言いながら飲んでいたのですが、横で飲んでいたヨメさんのお母さんはなにやら不満顔です。
そして、何も言わずに空になった私の茶碗に二杯目を点ててくれたのですが、その手つきが全く私と違います。
私がどちらかというとぐるぐる回すように茶筅を動かしていたのですが、茶道の心得のあるお母さんの方は手首から先を前後するだけの細かな動きです。
そして点てて貰ったお茶を飲んでみたところ・・・・「うまい!!」。
ふんわりとした香りが口に飛び込んできたと思ったら、舌の上に柔らかな旨味と甘みが広がり、飲み込んだ喉にまでおいしさが広がったのです。
確かにウチで出しているアイスコーヒーもシェイクすることによって苦みがまろやかになっていますし、スリランカの紅茶は一般的に高い位置からお湯を注いだ方が味が柔らかくなるので、液体に含まれる微細な空気の泡が味に影響するのは間違いないのですが、それにしても混ぜ方一つでこれほどの違いがでるとは・・・・・・・茶道、恐るべし!!
ところで、混ぜると言えばこんなゲームをご存じでしょうか?
コーラやオレンジジュースやウーロン茶などいろんな飲み物を十二・三種類買ってきてそれらをブレンドし、何が混ざっているのかを当てるというゲームです。
二種類くらいのブレンドだと結構誰でもあたるのですが、三種類四種類となると結構難しいものです。
そしてこうやってブレンドされた飲み物は、たいていはおいしくないのですが、中には微妙なおいしさの発見なんかもあって結構面白いものです。
ただし、一つだけ絶対にやってはならない組み合わせがあります。
罰ゲームのカラシ入りバナナジュースを顔色一つ変えずに飲み干した私が、唯一飲み込むことすら出来なかったもの・・・・・・・
それはコーヒー+オレンジジュースです。
このエッセイを書くにあたって、さっきもう一度チャレンジしたのですが、ウチのアイスコーヒーと100%のオレンジジュース、どちらも単品ではおいしいものなのに、やっぱり飲み込むことが出来ませんでした。
勇気がある方は試してみるのも一興ですが、ゲームには使わない方が無難です。
へたをすると楽しいゲームが恐ろしい事になってしまいますから・・・・