Vol.28 2005.4.1
この号の当選番号は027と086です。
親心
我が家は、食べ物屋さんの端くれとして、月に一度くらいはちゃんとした料理を食べに行くことを心がけています。
ちゃんと作られた料理は、たいていの場合とても美味しく、得る所も多いのですが最近とみに思うことが二つほどあります。
まず一つ目は接客の大切さです。
以前は「味はいいんだけれど、接客が・・・」という店も結構あったのですが、最近「美味しい」と評判のお店に行って接客で不愉快な思いをした覚えがありません。
お客さんの目が厳しくなり、接客が悪いようでは「美味しい」という評判を得られなくなってきたのでしょう。
最近行った「あつた蓬莱軒」も昼一番の途轍もない忙しさの中、笑顔で「正しいひつまぶしの食べ方」を説明していただき、とても美味しく食べることが出来ました。
これがもし同じ味であったとしても、お品書きの裏に書いてあった「ひつまぶしの食べ方」を無言で指さされただけだったら、きっと三割はおいしさがダウンしていたことでしょう。
と、人ごとのように書いていて気になったけど、KURIKURIの接客はだいじょうぶなのだろうか・・・。
出来るだけ心からの笑顔を心がけているつもりなのですが、忙しいときなど相当引きつっているような気がしないでもありません。
早いとこ娘に戦力になってもらって、天然笑顔でおいしさアップをはからねば。
そして、笑顔といえばお客様の笑顔見たさで作った「デザートセット抽選券」なのですが、ここ何ヶ月も当選者が現れていません。当たりに時効はありませんので以前のKURIKURI通信をお持ちの方は店内(マガジンラックとベンチシートの後ろ)に置いてあるバックナンバーで是非ご確認下さい。
さらに今月号の「デザート抽選券」は、通常の当選に前後賞(お好きなお飲物一杯無料)を付けることにしました。従って今月号をお持ち帰りになれば来月の当選確率はなんと三倍!!この機会に是非これをお持ち帰りになって、来月素敵な笑顔を見せてください!!
そして二つ目は、「ウチの娘にこんなウマイ物を食わしていいのだろうか」ということです。
昭和三十年代生まれの私の少年時代、
まだまだ日本の食生活は貧しく、時には拷問のような給食を食べ、合成甘味料と合成着色料の塊をおやつに育ってきました。
しかし、そんな食生活であったからこそ、海外航路の船乗りであった父がたまに買って帰ってくるハーシーのキスチョコを「この世の物とは思えない」程美味しく食べることが出来たのです。
そしてその後も「ロイヤルホストの焼き肉は世界一美味しい」と思ったり(昔ロイヤルホストには焼き網付きのテーブルがあった)、「風月堂のシュークリームなら食べ過ぎで死んでも悔いはない」と次々に「最高のおいしさ」に出会い続けることが出来ました。
一方娘の方は、物心つくかつかないうちから「キハチ」だの「梅の花」などで和洋を問わず美味しいものを食べ、おやつには「手作り生チョコ」や「KURIKURIのたまご」で作ったショートケーキを食べているようでは、将来心から「おいしい」と思える物に出会えなくなるのではないかと心配です。
やっぱり美味しいものは親だけでこっそり食べ、娘にはしっかりマズイものを食べさせておかねば・・・・