Vol.51 2007.3 この号の当選番号は052と129です。
逆・コナン君状態
風に混じる微かな花の香りに春を感じる季節になりました。
と、いってもこの原稿を書いているのは2月の末、花の香りを感じることは滅多にありません。
どちらかといえばヨメさんの方が風に混じる微かな花粉で敏感に春を嗅ぎとっているようです。
さて、香りといえば「アロマテラピー」というものがあるように様々な作用を体に及ぼします。
香りによって過去の記憶がよみがえる話はプルーストの「失われた時を求めて」以来よく小説の題材にされていますし、確か「時をかける少女」ではラベンダーの香りでタイムトラベルまでしていたような記憶が・・・。
まぁ、そこまで華々しい作用は滅多にないことでしょうが、ふだんの生活でも香りは様々な影響を与えています。
たとえば珈琲。
ウチの夫婦は朝に弱く、目覚ましで起きただけではゾンビ同然です。
ミルに豆をセットして、ウィーンという唸りと共に珈琲の香りが部屋中に漂うと、やっと生命体としての活動ができるようなるのです。
最近の研究では、この珈琲の香りも焙煎具合によって作用が異なることが判明しています。
最もよく使われている中煎り豆の香りは頭の回転を良くし、勉強などに効果があるそうです。
そして深煎りの豆はリラックス効果が高く、情緒を安定させる効果が期待できると書いてありました。
当店の豆は殆ど中煎りですが、ブレンド珈琲のベースに使っているマンデリンが深煎りですので、リラックスしたいお客様にはブレンドかマンデリンをおすすめいたします。
話は変わりますが、先月号の右肩に小さく記された91点の文字。
「なにこれ?」と気になった方もいらっしゃったようですが、これは去年の11月号で予告したセンター試験・日本史の試験結果です。
詳しくは店内のバックナンバーを見ていただけるとありがたいのですが、要はあまりにも物忘れが激しくなったために受験勉強に挑戦してみただけなのです。
きっかけは好きなお笑い芸人の名前を思い出せなかったことなのですが、それ以前から前の日の晩ご飯が言えないこともしばしば。
このままでは何を食べたかどころか、食べたかどうかすら思い出せなくなりそうな気がしたのです。
見かけは子ども、頭脳は大人」の名探偵コナン君ならかっこいいのですが、「見かけはオッサン、頭脳はジイサン」のスーパー・コナン君状態。
名前はスーパーですが実態はボケオヤジ。
あまり格好のいいものではありません。
そこで一念発起して「センター試験・日本史満点!!」を目標に、それこそ中煎りの珈琲をがぶ飲みしながら勉強したのですが満点には届かず、小さくこっそりと結果発表を行ったという次第なのです。
まぁ、満点こそ取れなかったものの91点。「見かけはオッサン、頭脳は高校生!」と豪語してもかまわないでしょう。
ただ問題は、この逆コナン君状態が長く続かないこと。
センター試験が終わって一ヶ月、久しぶりに日本史を思い出そうとしたところ、思い出せるのは昔から知っているところばかり。
新しく覚えたところはことごとく忘れているのです。
珈琲片手に日々努力を続けない限り、スーパー・コナン君に戻る日は近い?!