Vol.53 2007.5 この号の当選番号は020と073です。
ヤミ弁
先月は一日お休みを頂き、家族で京都にお花見に行って来ました。
平日とはいえ、さすがお花見シーズンの京都。
京都東インターを降りた直後からもう渋滞です。
仕方がないので山科駅前の駐車場に車をおいてJRで二条へ行き、おおぜいの外人さんに紛れて二条城の桜を満喫。
ふだん桜といえばソメイヨシノくらいしか間近で見ることはないのですが、二条城には色々な種類の桜が植えられ花毎に違った香りを味わうことが出来ました。
そして二条城から四条まで歩き「嵐電」と呼ばれている嵐山電鉄で嵐山へ。
二条城も随分と人が多かったのですが、嵐山には更に多いこと!
そしてその人で溢れかえる嵐山に着くと、速攻でお食事どころに飛び込んだのですが、幸運でした。
そこのお店は店内に待っている人がいると次に入ってきた人を追い出してしまうのですが、丁度入ったときに帰るお客さんがいたために、店内で待つことが出来たのです。
それにしても観光シーズンのお店は強気です。
私達が待っている間にも次々とお客さんがやってきたのですが、皆さん追い出され、その殆どの人はそのまま去っていったのです。
そして強気なのも頷けるほどおいしいお昼ごはんを食べた後は、しばらく土産物なんかを覗いた後は渡月橋に行って山桜を満喫し、対岸の御茶屋さんで早速のおやつ。
白玉ぜんざい・桜あんみつ・大納言わらびもち・と「いかにも春の京都」みたいの甘みを抹茶のセットで頼み、花より団子というわけで窓の外の桜をそっちのけにしてひたすら完食。
お腹が落ち着いたので今度はお買い物。
再び渡月橋を渡っておみやげやさんゾーンへ・・・・と、そこでふと見ると先ほどお昼を食べたお店がもう閉まっています。
ランチタイムが終われば即閉店。つ・・・強気です。
そしておみやげやさんゾーンではあちこちで試食をつまみつつ(まだ食べる)、京小物や外人さん向けのアヤシイ日本土産(手裏剣とか)を堪能し、それぞれのおみやげを買いました。
それから再び嵐電に乗って市街地に行き、デパートに寄ってお茶したりと、京都の街を山から市街まで満喫したのです。
そして、うちに帰って娘に今日は何が一番楽しかった?と聞いたところ
「ヤミ弁」
実は、夕食は京都で食べると遅くなってしまうので、京都大丸の地下でおばんざい弁当を買い、帰りの車中で食べたのです。
本当はサービスエリアの休憩所で食べるつもりだったのですが、そこもかなり人が多くて落ち着いて食べられそうになかったので、お茶だけ買って車内で食べたのです。
ところが車を停めた場所が端っこだったために結構暗く、お弁当の中身がよく見えません。
高野豆腐のつもりで口に運んだら卵焼きだったり、山菜の天ぷらのつもりが鳥の唐揚げだったりと、実に摩訶不思議な感覚の食事になってしまったのです。
しかしこうやって食べると先入観がなくなるためか味がよくわかり、京の味付けの秘密を垣間見ることも出来たのですが、娘にとってはこれがひたすら楽しかったようです。
親としては、京都の街の風情を心に焼き付けて欲しかったのですが、焼き付いたのは暗闇で食べたお弁当。
これもまたいい想い出なのでしょうか?