安心の価格
最近食の安全が叫ばれ、おちおち出来合いの物も買っていられないなぁ、と思っていたのですが、よくよく考えてみると昔えらい目にあったことを思い出しました。
それは遥か30年以上も前の話、母が「ピロシキ」を買ってきたときのことです。
今でこそ「ピロシキ」なんて食べ物は小学生でも知っているようなメジャーな食べ物ですが、当時は「マカロニはグラタンに入れて食べるのが正式な食べ方」と考えられていたほど、外国の食べ物が珍しかった時代。「ピロシキ」なんて変な発音の食べ物なんか見たことも聞いたこともなかったのです。
しかも当時のロシアは「ソ連」といって、アメリカやヨーロッパとはまったく異なる不思議な国のイメージがありましたから、その一見「揚げパン」のような物体にどのような異国の珍味が詰められているのか・・・・興味津々の我が家一同。
早速二つに割ってみると・・・・・・
・・・・・どう見ても普通の肉まんの中身です。
いやいや、きっと味付けにブレジネフ書記長秘伝の技が隠されているに違いない。
早速食べてみると・・・・・
せ・・・石油臭い・・・。
さすがブレジネフ。
あのふてぶてしいほどのタフさの源は石油だったのか・・・
なんて考えはしなかったでしょうが、明らかに食べ物とは異質のにおい。
今、冷静に考えると明らかに不良品です。
いや、なにも今考えてみなくったって、誰が考えても不良品です。
当時の私以外の誰が考えても・・・。
そう、私は食べてしまったのです。
母や姉は一口で食べるのをやめ、私を制止したにもかかわらず、私は全部食べてしまったのです。
嗚呼、浅ましきその食欲・・・・。
そしてその代償は・・・・・半日ほどのトイレ引きこもり。
よく入院しなくてすんだものです。
おかげでその後は食べ物の味にはうるさくなり・・・なんてことはなく、その後も幾多の生命の危機を乗り越えてきたのですが、それはまた別の話。
さてさて、翻ってみてわが店の安全はどうなのでしょう?
断言はできないのですが、たぶん安全です。
手作りのお店ですから当然出来合いのものは使っていませんし、冷凍食材は日本より安全基準が厳しいフランス産の果物ピューレや国産のジャガイモくらい。
バローや生協で購入する野菜類も、国産と海外産が並んでいれば基本的に国産のほうを購入しています。
ただ、基本的にと書いたように全てではありません。
デザートに使うマンゴーを国産に切り替えれば桁が変わってしまいますし、かぼちゃは時期によってはニュージーランド産のほうが遥かにおいしいのです。
とまぁ、こんな感じではなはだ不徹底ではありますが、お客様の安全を考えて食材を選んでいますので、安心してお召し上がりください・・・・って、これで安心できるのだろうか?
そして現在、更なる安全とおいしさを考えて、有機栽培の野菜を検討しています。
手間隙かけて育てられた野菜は、実際しみじみとおいしいものが多いのですが、問題はその値段。
ポンポンッと勢いよく目玉が飛び出るほどではないのですが、大きく目を見開いて二・三歩はよろけてしまうほどのお値段です。
今でさえ喫茶店にしては原価率が高すぎるのに、有機野菜の値段の高さは悩みどころです。
できる限り値上げはしたくないので、商品にするとすれば「有機野菜の○○」みたいな単品メニューになるのではと思います。
あっそれから、値上げしたくない何て言いながら、表にも書いてあるように今月からスタンプが貯まった時のサービスがドリンク分だけになります。
ランチやティーの場合はまったく関係ないのですが、モーニングのときはモーニングセットの分の200円をいただいてしまおうという魂胆です。
モーニングセットのサービスはランチやケーキセットのサービスとの差が大きいですし、これまでも、「飲んで食べてまでしてお金を払わないのは申し訳ない」と気を遣ってわざわざケーキを買ってくださったお客さんもいらっしゃいますし・・・・・。
そんな諸々の理由によりまして、サービスの変更と相成りました。よろしくお願いいたします。