Vol.79 2009.7この号の当選番号は021と033と074と090と165です。
ウソとマコト
先日名古屋の松坂屋美術館に工芸展を見に行ってきました。
というのも先月号に書いた多治見の街の応援団(団員約一名)活動の一つとして幸兵衛窯さんをHPで紹介していくために、モノを見る目を養っておく必要があったからです。
まぁ、ちょっとやそっといい作品を見たからといって美的センスが急に磨かれるわけもありませんが、良い物を紹介する以上それなりのセンスというものが必要なものでしょう。
それに、今は私に美的センスのかけらも見当たりませんが、もしかすると実はダイヤの原石で、磨けば目が眩むほどに光り輝き始めるかもしれません。
そして、やっぱりただの泥団子だったとしても、磨けばそれなりに光るものですから、いいものを見に行く程度の努力を惜しむわけにはいきません。
と、えらそうな心意気で行ったものの、やっぱり私は理系人。
造作や色の美しさより、どうやって乾燥させたのかとか釉薬に含まれる金属の種類のほうが気になって、バランスのよさや色の深みを称えているヨメさんとは全く話がかみ合いません。
せっかく気鋭の作家さんたちの作品を見てもこの調子では、泥団子の輝きを得ることすらかないそうにありません。
ま、そんなことは置いておいて、せっかく名古屋まで行ったのですから新作スイーツを見てこない手はありません。
そこでデパ地下などを練り歩いて新作情報をせっせと脳と胃袋にインプットし、さらには帰りにヨメさんおススメのフォルティッシモH(アッシュ)へ。
このお店は今池の辺りにあるのですが、そのお店のある所だけは周辺の雑然とした街なみとは別世界。
高級マンションが立ち並ぶ中に適度な間隔を置いて点在するおしゃれなお店の数々。
どのくらい高級なマンションかといえば、ベランダに布団はおろか洗濯物一枚も干していないのです。
その日は梅雨の晴れ間。主婦ならば洗濯物の限りを尽くし、ありったけの布団を干したくなるような天気です。
にもかかわらず、見事なまでに何もないベランダ。ここの住民たちは洗濯も布団干しも全て専門業者に任せているに違いありません(推定)。
そしてお店がどのくらいおしゃれかといえば、私にはその入り口すらわからなかったほど。
絶対に壁にしか見えない扉が音もなく開いた時には、プールの底が開いてロケットを発射するサンダーバードの秘密基地を思い出してしまったほどです(少し嘘)。
そんなおしゃれなお店に入ってケーキを食べたのですが、選ぶのがもう大変。
どれもちょっとひねりの利いたケーキばかりで味の想像がつかず、どれもこれもと食べたくなってしまうのです。
しかしどれもこれもと食べてしまったら大変なことになります。
それでなくてもバレンタインチョコの試作にはまって以来、ウエストサイズがワンサイズ上がってしまい、先日ユニクロでズボンを買ったらウエストのサイズと股下の長さが一緒、タテだかヨコだかわからんようなサイズになってしまっているのです。
そんなわけで、私はライチのチョコムース、ヨメさんはホワイエというほうじ茶のケーキと一個ずつ決めてカフェのコーナーに向かったのですが、その途中に魔のコーナーが・・・。
そこにはずらりと並ぶチョコ。しかもいろんなタイプの・・・。
しかしそれでなくても十分にカロリーオーバー。
いやしかし、チョコを極めるためには食べるしかありません。
全然食べたくはなかったのですが(激嘘)やむをえず追加注文し、おしゃれなカフェで試食試食〜♪。
そしてそれらのお味は・・・おいしかったです(本当)。
持ち帰りができるのか?と思えるほど柔らかなムースにかかった少し酸味のあるチョコソースは、私がまだ使いこなせていないフランス製(推定)。
どうやってケーキにあわせるのかと思ったほうじ茶もその苦味と香りを見事に使いこなしています。
ケーキの奥深さと、オノレの未熟さをかみ締めつつ、それを補って余りあるほどのおいしい幸せ。
やはりおいしいは身近にある一番の幸せ。
タテだのヨコだの言っている場合ではありません。もっともっと試作に励み、今まで以上のおいしさを提供できるように努力する事を約束しましょう(激本当)。
でもせっかく買ったズボンがはけなくなるのも困るから、食べた分はしっかり運動しよっと(本当?)