Vol.84 2009.12この号の当選番号は015と042と107と123と155です。
サンタクロースと呼ばないで
「サンタクロースは恰幅のいい老人ではなく、実はスリムな青年である」という説があります。
近所の子供たちだけが相手だった初代の頃はともかく、東西冷戦の終結に伴ってグローバリズムが地球の隅々まで浸透した現在、世界中の子ども達がプレゼントを求めています。そんな言語も文化も異なる広範囲の子供たちを相手では、プレゼントの選定だけでも一仕事。インターネットなどの情報機器に精通していなければとても集めることはできないでしょう。
さらに移動だって迷わずたどり着くにはGPS機能の付いたナビゲーションシステムを使いこなす必要があります。
そんなこんなの理由があって老人には荷が重過ぎるだろうというのです。
その説によると現在のサンタクロースは世界中に支社を持つグローバルNPO法人の社員。
クリスマス時期以外には仕事がないため漁師や建設作業員などの力仕事で体力をつけながら生活を維持しているそうです。
そして秋口になるとひげを伸ばし始めると共に、クリスマスの日の重労働に備えて大量に食事を摂るようになり、冬には皆さんご存知のあの体型になるというのです。
そしてクリスマスイブの夜、想像を絶した重労働が始まります。
考えてもみてください。誰にも見つからず枕元におもちゃを置くことがどんなに大変なことか。
あのルパン三世でさえ、綿密な計画を立てて忍び込んだ先で、銭形のとっつあんのサーチライトに照らされたことが数え切れない程あるのです。
そのような超絶ワザを、日々鍛えているとはいえ一般の青年たちが、精神力と体力の限りを尽くして一晩中続けるのがどれ程のことか・・・。
そして、朝一番に目覚めた早起きスズメだけが、げっそりと痩せた青年がダブダブの真っ赤な服を脱ぎ捨てる姿を目撃することができるのだと、その説は締めくくっています。
さて、そんなサンタさん達ほどではないのですが、12月は私も少し忙しくなりそうです。
というのも、今年はクリスマスケーキを作るから。去年は生チョコを始めたために例年作っていたチョコレートケーキを中止したのですが、今年は通販限定の高級チーズケーキ「織部」のクリスマスバージョンを店頭予約販売することにしたのです。
この織部、ベイクドチーズケーキでありながら生チョコよりもトロリと溶けるのが特徴なのですが、この口どけのためには焼き上げるまで生まれたての赤ちゃんを世話するくらいの手間が必要なのです。
そして、やっと焼きあがったと思っても、ちょっと油断するとすぐにふちが欠けたりゆがんだりと思春期の子どものように手がかかります。
こんな子育てとあい通じるような手間と、厳選した素材のために11cmのちっちゃなケーキが1800円とKURIKURIにしてはやたらと高いお値段なのですが、それでも通販ではたまに注文が重なって手が回らなくなり、次の注文をしばらくストップすることもあるのです。
そんなケーキをクリスマスケーキにして、ちゃんと作ることができるのか?
われながら不安いっぱいなのですが、このケーキには一つだけ子育てよりも楽なことがあります。
それは冷凍保存できること。というよりも一度冷凍したほうが美味しくなる不思議なケーキなのです。そんな訳であらかじめ作っておけば多分なんとかなるだろう、と甘くみているのですが・・・
しかし、去年は生チョコだけで手いっぱいだったような記憶が・・・・・
そんな訳でこのケーキ、できるだけ早くご予約をいただけると助かります。しかも冷凍庫に限りがあるので早めに取りに来ていただけると更に助かります。
なんとも勝手なお願いばかりで申し訳ないのですが、最近少し腹回りに肉が付きつつある私がクリスマス明けに激ヤセして、「KURIKURIのマスターって実はサンタさんだったんじゃないの?」というあらぬ疑いをかけられないためにも、ぜひご協力をお願いいたします。