Vol.92 20010.8 この号の当選番号は013と031と032と064と080です。
神のみぞ知る
娘の夏休みということもあり、先日伊勢に行ってきました。
伊勢に行ったら、何を差し置いてもお参りをしなければなりません。
まずは五十鈴川にかけられた宇治橋へ。去年架けかえられたばかりの橋はまだ木の香りが濃く漂い、清涼な五十鈴川の流れと相まって、俗世から神域への橋渡しに相応しい品位を感じます。
この厚さ15センチもある立派な橋が、十九年後の架け替えの時には参拝者の靴に削られ9センチほどにまで薄くなってしまうというのですから、いかに多くの日本人に愛されているかが分かります。
さて、そんな橋をわたって神域に足を踏み入れると、砂利を敷いた参道には至る所に打ち水されていて、しばし猛暑を忘れます。
そして圧倒的な存在感を示す巨木の数々から、静謐な気を受けながら正宮前に到着。
ご存じの方も多いかと思いますが、伊勢神宮の正宮の門には御幌と呼ばれる白い布がかけられており、正面から正宮を見ることはできません。
しかし、奇跡が起きました。私たちが参拝した丁度その時、正宮から涼やかな風が吹き御幌を持ち上げ、正面から見ることができたのです。
その時参拝していたのは私たちの家族だけ。神様が私たちの顔を見に来たのだと信じましょう!!
さて、おもいっきり神聖な気持ちに浸った後は、俗世の楽しみに浸らねばなりません。
おはらい町とおかげ横丁で美味しいもの探し。まずは昼食。
おはらい町を隅々まで歩いて胃袋が反応する店を探します。
松阪牛:反応しません。
伊勢うどん:反応弱し。
伊勢エビ:微妙。
手こね寿司:OK!。
焼き蛤:これもOK!
というわけで、両方食べられるお店へGo!。
ここでさらにウニめしと焼きサザエをプラスして、手こね寿司の予想と違うおいしさに驚きつつ、伊勢の海女さんたちに勝手に感謝しながら完食。
そして、腹ごなしを兼ねておかげ横丁を冷やかしていたのですが、なんといっても暑い!!。
その頃多治見は連日暑さ日本一でニュースを賑わしていたので、日本全国どこに行こうとそこは避暑地!と思っていたのですが甘かった。
その日は近くの桑名もタイ記録で一番の暑さ。
買い物をしていると隣でバスの添乗員さんが「お客さんが早くバスに帰ると思いますので冷房入れておいてください」と電話しているくらい暑かったんです。
そこで予定よりも早く、赤福氷へ。
赤福本店すぐ横の赤福氷専門店に飛び込むと、丁度席に空きがあったので早速ゲット。
レジにて先払いし、待つことしばし・・・・・・・・・・・・。
あ、暑い。。。。。
二面を開放した江戸時代の茶店風の建物に当然冷房はなく、じんわりと汗がにじんできます。
そんな中やっと「13番のお客様」の声が!!心の中では「キタ━━\(^◇^)/━━━━━!!!」と叫びつつも冷静に手を上げて、念願の赤福氷を受け取りました。
さて、そのお味は!!?多分人生No.1です。
抹茶シロップのおいしさは長浜の叶匠寿庵が優っていたような気がしますが、中のこし餡が冷えた舌に絶妙のアクセントを与え、氷に埋もれていたくせにモッチモチの弾力を残した白玉もまたうますぎ!!!
そして何よりの調味料がこの暑さ。
シロップや氷の味で勝る叶匠寿庵が惨敗してしまったのは店内が涼しかった事が大きく影響しています。
というわけで、赤福氷はここ以外でも食べられるところはありますが、できる事なら、めいっぱい暑い日に伊勢神宮にお参りしてその足で本店横に食べに行くことを心よりおすすめいたします。
ただ、一つだけ気をつけていただきたいのは器の小ささ。
浅い茶碗に山盛りの氷は見た目豪快で美味しそうなのですが、非常に不安定です。
私たちが見ている目の前でも、上半分をざっくりと倒してしまって大騒ぎになっていました。
最初は逸る気持ちを抑えて、置いたまま食べるのが上策かと思います。
さて、こんな美味しい物を食べてしまったら。私のデザート魂にも火がつきました。
幸い夏のデザートは「パフェ祭り」で、特に何のパフェにするかは決まっていません。
店には冷房が効いていますが、ゆっくりと長居していただくために高めの設定になっていますから、思い出に残るようなおいしいデザートが作れるはずです。
同じ土俵で和風勝負で行くか、それとも異種格闘技方式で全く違う分野で勝負をかけるか。
どんなパフェを作るかは、この原稿を書いている時点では全く決めていないのですが、きっとデザートの神様が、白い御幌を上げてやってきてくれることでしょう。
それが何時になるのかは、神様だけが知っています。