98号の当選番号は 012 050 114 125 169 です。
忘却の彼方に
先日パソコンをやっていたら、いきなりディスプレイ全面が縦縞に!!
ま、まさか熱狂的タイガースファンが仕込んだウイルスか!!と思うほどの素人?ではありません。
フロッピーディスクどころかカセットテープにデータを記録していた時代から四半世紀以上にわたってパソコンをいじっているのですから、ディスプレイの不具合ごときは箸を扱うがごとく手慣れたモノ。
まずは画面の下にある画像調整ボタンを押してみると、「画面調整中」の文字がくっきりと。
これで異常があるのはディスプレイ本体ではないことがわかります。
そこでケーブルをいじってみると、ディスプレイに近い方を動かすと時々画面が戻ります。そこで異常の原因はディスプレイの中のケーブルコネクタの接触と見当をつけ、早速分解分解〜♪。
ハンダゴテ片手に鼻歌交じりでディスプレイを分解し、目星をつけたコネクタ部分のハンダを付け直し、再び組み上げてパソコンに繋ぐと見事に画像が映りました。
「やっぱ俺様ってグレイト!」と自分で自分を褒めつつディスプレイを持ち上げると、下になにやら転がっています。
ネジが二本・・・・。どうやらどこかのネジを締め忘れたようです。
分解するのは得意なのですが、組み立ては少々不得意なのです。。。。
無難な外見からか、初対面の人には几帳面な性格に見られるのですが、実は龍年獅子座にO型の男。
十二支の中で唯一実在しない生き物である程いい加減であり、一日20時間をゴロゴロと寝そべって過ごす雄ライオンのごとく怠惰であり、読んで字のごとく大雑把なO型人間なのです。
このいい加減さはデザート作りにも遺憾なく発揮され、今まで200種類を越えるケーキやアイスクリームを作ってきましたが、レシピを残しているのはほんの一部。
大半はすでに忘却の彼方に葬り去られてしまっています。
そのために、新しいデザートを作る時に「前に作ったあれを組み合わせてみよう」っと思っても、「あれ」の調合はすでに脳内深く沈殿し、探せば探す程まき上げた他の記憶の断片に隠れて見つける事ができません。
結局一から作り直す事になるのですが、大抵の物は本に載ってる標準のレシピを自分なりにアレンジしたものですから、その標準レシピが載った本を見れば何となく見当はつくのです。
ただ困るのは、基本レシピもなく一から思いつきで作ったモノ。
こればかりは再現しようと思ったら、当時のデザートの写真や紹介文を頼りに記憶の海へ深海探査艇を出して捜索するしかありません。
まぁ、一から作ったものはそんなに多くないですから、そんなに困ることはないのですが・・・
ちなみに最近で一から作ったデザートは、バレンタイン用に開発した「ラズベリーショコラ」。
ホワイトチョコとクリームチーズとラズベリーと卵白だけで焼き上げた、ケーキなのか何だかよくわからないシロモノです。
先日手に入れたホワイトチョコで作ったアイスクリームが意外に美味しかったので、そのホワイトチョコの可能性を探ってみようと思って作ったのですが、バレンタイン専用ですから、少なくともあと二年は同じチョコを出す事はないでしょう。
そして他の生チョコマシュマロやトリュフも初挑戦の調合ですから、次に作ろうと思った時にはこのエッセイを頼りに記憶の泥沼でもがき苦しむことになるでしょう。
調合がしっかりと残っていればそんな苦労はしなくて済むのですが、同じ物を作るだけならロボットにだってできる事。
記憶の沼の中で様々な記憶の断片と戯れていると、時に意外な組み合わせが生まれてくるのです。
それはお菓子づくりには全く関係の無いものだったり、人類にとって何一つ役に立たないものであったりもするのですが、意外な発見というものは実に脳みそを喜ばせてくれるモノ。
最近トシのせいか物忘れが激しくなっているのですが、忘れるということは思い出そうという行為を伴います。
もしかすると物忘れは、若い頃のように日々新しい発見に出会えなくなってしまった大人達の脳みそに喜びを与えてくれる、神様の配慮なのかもしれません。