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嘘つきバレンタイン

2月といえばバレンタイン。


個人的な経験としては、小中学校時代にはそんな南蛮渡来のハイカラな風習は一般的でなかったし(嘘)、高校時代は異常に校則が厳しい学校だったため停学の危険を犯してまでチョコを持ってくる女の子はいなかったはずだし(その割には友人に渡して欲しいとチョコを預かった記憶があるような…)、大学時代は国立大の工学部という最も女子とは縁遠い学部だったためバレンタインなどというイベントは存在せず(私のまわりだけ?)、会社員時代は研究課というこれまた女性の少ない職場だったため義理チョコですら雀の涙という体たらく。

バレンタインなんてあろうがなかろうが関係ない、チョコとは無縁の人生を送って来ました。


しかしそんな私の人生とは全く関係なく、日本でバレンタインはクリスマスに次ぐほどのイベントデー。


名古屋のデパートなどは世界各地の極上チョコに満ち溢れ、日本人の六倍近くのチョコを食べているスイス人だって食べたことのないような新作チョコを、惜しげもなく試食させてくれていることでしょう。


かく言う私もこのシーズンは毎年名古屋に繰り出しては、優しそうな店員さんを狙って試食三昧を繰り返した挙句、試食出来なかったお店のチョコを買って帰るという悪辣非道の振る舞いを繰り返しています。


そんなチョコ池地獄に落ちそうな悪行に走る理由はただひとつ。

おいしいチョコを作るため!

毎年クリスマスを過ぎた辺りから頭の中に『チョコ』の文字が駆けまわり始め、正月を過ぎた頃には灰色の脳細胞が褐色に変わるほど(大嘘)チョコのことばかりを考えているのです。


そんな訳で今年も新作チョコ作りに励んだのですが、今年の一押しは林檎。

去年知り合いからのお歳暮にかなり上等な林檎をたくさんいただき、食べきれなかったものをブランデー漬けにしていたのですが、そのブランデー林檎がまた美味しいんです。

噛み締めるとザックリとした食感はしっかりと残しつつ、染み出す果汁はブランデーとまろやかに溶け合い、鼻に抜ける芳香はカルバドスよりも鮮烈。これはもうチョコに入れるしかないでしょう!


そこでこんどはその林檎に合わせたチョコ作り。

プレーンの生チョコはベルギー産の美味しいクーベルチュールチョコレートで作っているのですが、この林檎を入れるには味が完成し過ぎています。

そこでちょっとカカオニブで苦味を足して試食して、フランス産のチョコで酸味も足して試食して………訳がわからなくなったので一旦休んで、新しく仕入れた酸味の強いフリーズドライのイチゴ入れて試食して……。


そんなことをしている内に、フリーズドライイチゴはフランス産のホワイトチョコとよく合うことがわかって、ソッチの方でも試作を進めて試食して…また訳がわからなくなったのでラム酒に漬けたサルタナレーズンを使って試作して試食して……、肉体の八割がチョコ化するまで(激嘘)試食を続けた結果、どれか一つに絞り込むことができなくなってしまったので、色々出すことにしちゃいました。


生チョコはプレーンの他にブランデー林檎入りのダークタイプとフリーズドライイチゴ入りのホワイトタイプ。そしてハードタイプはハート形の型を使ってホワイトチョコにフリーズドライイチゴと米パフを入れたものと、これとほぼ同じ調合でベースのホワイトチョコに木苺パウダーを練り込んだものの二種類。

それにセミハードタイプでオレンジ&マンゴーと林檎&サルタナレーズン、そしてナッツタイプも二種類。

これらをハード&セミハードでセットにした「ハートセット」(ハードセットの誤植ではなく、ハート形のチョコが入っているから)。

生チョコの方は林檎とイチゴをそれぞれプレーンの生チョコとセットにした「りんごミックス」と「いちごミックス」として、バレンタインの限定販売にしました!!!!


と、勢いで!マークを連打してしまいましたが、バレンタインシーズンは2月の半分だけ。

バレンタインが終わった後にこれを読んでいる人も多いかと思います。

このバレンタイン試食の成果は、スペシャルチョコレートパフェにも活かすつもりではあるのですが、それも16日で終了。

それ以降に読まれた方は、申し訳ありませんが想像の世界で味わって頂くか、来年の新作をお待ちいただくしかありません。


来年も全身をチョコにして(爆嘘)新作チョコを作ると思いますので、しばらくお待ちください。



KURIKURI