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デジャヴよりも
初めて来たはずの場所なのに見覚えがある。
デジャヴ(既視感)と呼ばれる現象ですが、こんな経験はよくあることと思います。
私も小学生の頃、遠足で初めて行った高尾山でハッキリとしたデジャヴを経験しました。
細かな場所は思い出せないのですが、坂の途中で急に風景に見覚えがあることを思い出し「この坂を登り切ったところに赤い屋根のお店があって」と友達に話していたら、本当に赤い屋根の茶店があってビックリしたことを覚えています。
このデジャヴと言われる現象の殆どは脳科学的には「記憶の錯誤」に分類され、脳内にランダムに散らばった記憶の中から今見ている光景に近いものを引っ張りだしてきて適当に繋ぎあわせただけなのだそうです。
では何故「赤い屋根のお店」までも当てることができたのか?
それは当たったから覚えているだけ。たまたま赤い屋根のイメージが浮かび、それが偶然当たったから強烈に覚えているのです。
例えば「虫の知らせ」のようなものがありますが、私達はしょっちゅう「いい予感」や「悪い予感」を感じているもの。大抵の場合はそれは当たることなく一日が過ぎ去り、記憶に残ることはありません。
ただ、その中でたまたま当たったりすると「ほら、やっぱり予感がしたんだ」と強く印象に残るため、自分の予感が当たるような気がしてしまうのです。
このような脳の特性は占いなどでよく使われているようですが、「当たった」という現象の99%以上はこの脳みそのイタズラなので、悪い卦が出ても気にする必要はないのです。
ただ残りの1%弱くらいは神様の気まぐれの可能性もあるので、いい占いが出た時にはしっかり信じておきましょう♪
ちなみにデジャヴの逆にジャメヴ(未視感)という見慣れたものが未知のものに感じられてしまう現象もありますが、これはデジャヴほどメジャーなものではありません。
私なんか学生時代、テストのたびに前日徹夜で見たはずのものが全く見覚えが無くなってしまうという現象を何度も体験したものですが、このようにジャメヴと物忘れの区別がつきにくいところがメジャーになれない理由なのかもしれません。
さて、そんなデジャヴなのですが、つい最近も強いデジャヴを感じました。
それは6月のデザートを考えていた時のこと。
一年で最も爽やかな季節から、一年で最も鬱陶しい季節へと移り変わる時期にふさわしいデザートは・・・・梅雨入り頃の蒸し暑くなりはじめの時期には柑橘系で爽やかにいって、その後の毎日雨が続く時期には眩しい太陽を感じるような夏向きのデザートを・・・
そんな感じで「グレープフルーツムース」と「トロピカルトライフル」を選び、ワープロで打ち込んでいると何やら強い既視感が!
おぉ、久々のデジャヴだぜぇ〜とスギちゃんの如くワイルドなリアクションをしたものの、ちょっと気になる・・・.。
調べてみると案の定、去年の6月とほとんど同じデザート(チョコとマンゴーのクレープ→グレープフルーツムース→トロピカルパフェ)じゃないですか!
要するにデジャヴではなくただの物忘れ。。。。
神秘現象がただのボケになるという落差を味わいつつ・・・気丈に前向きに考えてみれば・・・この季節にはこれしか無いというほどベストのデザートということなのです!!!!
しかもデザートの名前が同じだからといって、内容が同じだというわけではありません。
例えばこの原稿を書いている時点でのデザートは「チョコとマンゴーのクレープ」ですが、去年のチョコはアイスだったのに対して今年はチョコカスタード。
同じ名前でも味わいは全く別物なのです。
これから作るグレープフルーツムースやトロピカルトライフルだって、きっと去年とは別物。というか、そもそも私はレシピを残さない人なので同じ物を作りようもないのです。
そんな訳で、今年のデザートメニューを見て「去年これ食べたし・・・」と既食感(造語)に襲われた方も、去年とは全く別のデザートに仕上げる予定なのでぜひ今年も食べに来て下さい。
そして・・・・今年既に一度食べてしまった方も、未食感をフルに駆使して、もう一度新鮮な感覚で味わっていただけると嬉しいのですが・・・・。