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プラチナ気分♪
この原稿を書いている時点で、世間はゴールデンウィーク真っ盛り。
テレビや雑誌はあの手この手のGW特集で盛り上げようと躍起になっています。
しかし週休二日が定着した現在では三連休くらいは日常茶飯事。
三連休+四連休如きでゴールデンを名乗るとはおこがましいような気もします。
いつもよりちょっと休みが多いニコニコウィークくらいに改名するか、連休に挟まれた平日もオセロのごとく休日化して名前にふさわしい大型連休に変える必要があるのではないでしょうか?
とまあ今でこそ陳腐化してしまった感のあるゴールデンウィークではありますが、私が若かりし頃は土曜日休みなどと言う心優しき制度はなかったので、ゴールデンウィークと言えば文字通り光り輝く黄金週間。
新学期が始まった時からすでに「GWは何してくれよう」と胸を躍らせながら友人たちと策を練ったものです。
しかし、心の中でいかに壮大なアドベンチャーを企画立案しようとも、未成年には「お金」という名の壁が万里の長城のごとく立ちはだかるもの。
このため中学校時代では友達宅の庭でテント生活をするのが関の山。テントの中では文明社会から解き放たれた開放感に浸れても、ちょっと尿意を催せば、ビール片手にナイターに興じている友人のお父さんに挨拶をしてトイレを借りなければならない情けなさ。
高校に入って海岸でキャンプをした時には、誰にも気兼ねせず用を足せる開放感に「大人になったなぁ」と実感したものです。
そして社会人になってからはお金のあるゴールデンウィークになったのですが、その頃すでに世は週休二日。
しかも「有給休暇」なる学生時代には考えられない不可思議かつ贅沢な制度が与えられ、しかも職場はいつ休みを取ろうとどこからも苦情の来ない研究職。
連休だからといってわざわざ人ゴミに紛れてまで出かけようという気にはなれません。
結局家でゴロゴロするだけという、黄金の無駄遣いというのか宝の持ち腐れというのか、 結局ゴールデンな気分を味わうことなく過ごしてきました。
そして現在。
祝日=休日という方程式が成り立たない職業ですので、GWは黄金の輝きというよりちょっとブルーな響きを持つようになってしまったのです。
しかしそこは客商売。
休日が多いということは、お客様も多いかき入れ時。
ゴールデンな気分になっているお客様を更にプラチナ気分にまで盛り上げれば、夏休みが一日余計にとれるかもしれません。
そんな下心もあって、毎年この時期のデザートは「スペシャル」を冠しています。
そしてスペシャルと名付けてしまった以上、ただのパフェを出すわけにはいきません。
アイスの種類を増やしてみたり、チョコの産地にこだわってみたり、はたまた金粉をのせて見た目を派手にしてみたりと、あの手この手でスペシャルなデザートを作ってきました。
そして今年のスペシャルデザートは「チョコと苺のスペシャルパフェ」。
よくよく見ると三年前のGWにも同じ名前のパフェをやっているのですが、だからといって同じパフェを作るわけにはいきません。
何か別の切り口でスペシャルなものを作らねば・・・なんて考え始めたのが、ほんの数日前。
パフェが始まるまで一週間を切っています。
過去のGWスペシャルを紐解いてみると大抵アイス三つで金粉が乗っていて真ん中がチョコケーキの類い。
アイスは毎回凝っているようですが、基本的な形は大同小異。
まるでケータイ小説のようにパターン化してしまっています。
「それなら今年もこの手で」と尖ったしっぽのついた黒いコビトさんが耳元でささやいたのですが、「そんなんじゃアカンやろ」と白い羽をつけたコビトさんが耳元で怒鳴っています。
そんなわけで今年はパターンを変えて真ん中のケーキを生チョコマシュマロにしてみました。
生チョコの柔らかさをマシュマロと合わせ、口の中でトロリととろける様が何ともスペシャル。
これならきっとプラチナな気分になって頂けるに違いない!
と、ここまで書いて気がついたのですが、このエッセーを読んだ時点で既にスペシャルが終わっている方も多いはず。。。。
しかし、白い羽のコビトさんが頑張っている限り、常に工夫を凝らしたデザートになっていることでしょう。きっと少しは気分が盛り上がると思いますので、是非お試し下さいませ。。