139号の当選番号は 040 076 146 155 168 です。
試合は終わらない
先日ランボルギーニの珈琲を飲む機会がありました。
ランボルギーニと言えば中古車でさえ家一軒の価格を上回るようなスーパーカーのメーカーとして知られていますから、何故自動車メーカーが珈琲を?と疑問に思われる方も多いでしょう。
実はその珈琲はランボルギーニ社が作ったものではなく、オーナー様限定でランボルギーニ社が顧客に贈ったものとのこと。
とはいえパパイヤ並みの小顔を誇る元ミスユニバースがショールームの受付嬢をしている(目撃者談)という超リッチ層向けの企業が下手な珈琲を顧客に贈るわけがありません。
期待を込めて赤とシルバーのスタイリッシュな缶を開けると、中の豆はすでに挽かれて粉になっています。
これにはちょっとガッカリ。。。
どんなに美味しい珈琲であろうと、挽いてしまえばその瞬間から香りが抜け始めるとともに急速に酸化して味が変わってしまうのです。
しかし気を取り直してドリップを開始。
抜けた香りを補うために粉は多めする一方、酸化した豆はアクが多いのでそのアクを落とさないように低めの位置から慎重にお湯を注ぎます。
そして一口。
「美味しい!」
予想を遥かに上回る美味しさです。
もしかしたら中学生時代、教室の机をサーキットにしてスーパーカー消しゴムで級友達と熱いバトルを繰り広げた思い出が加点されているのかも知れませんが、それを差し引いても粉になった珈琲としては最高級の美味しさです。
推測ですが、この珈琲は酸化することを前提として、酸化された味で最高に美味しくなるようにブレンドされているのでしょう。
ランボルギーニ社はコーヒーのメーカーではない以上焙煎したばかりの新鮮な珈琲を提供できません。
そこで現状でできる最高の味を求める策をとったのだと思います。
ちなみに、そう考えるのは自分自身でも同じような経験があるから。
KURIKURIでも予算の都合上などでベストの素材が使えないことなどはままあること。
そんな場合でも最高の素材が入らなかったのだから仕方ないと妥協することなく、今ある素材で最高のものが作れないかと日々頭をひねっているのです。
・・・なんて地方の喫茶店がヨーロッパのスーパーリッチ企業と張り合うのも変な話ですが・・。
さて、話は変わりますが別のある日、栄に行ってきました。
普段ですと都会に出るのは「美味しいモノを探すため」なのですが、今回メインは娘の修学旅行用の水着を買うため。
故に父親は食事時までお邪魔虫なので、松坂屋の紳士服売り場のあたりでぷらぷらと時間つぶしをすることにしたのです。
そこは普段出かけるイオンじゃ滅多にお目にかかれないジェントルマン達が、ダンディに買い物を楽しんでいる異次元空間。
これなら小説のネタとして使えるかもしれないと目玉を探査モードに切り替えてウロウロしていたのですが、ふと鏡に映った自分の姿に目をやった瞬間オソロシイ事実に気がついてしまったのです。
「おっさん臭くなっている。。。。。」
よもや加齢臭が可視化したわけではないでしょうから、気づかないうちにおっさん化が進行していたのでしょう。
つらつら考えてみれば私も今年で50歳。
下天のうちを比べている天下の覇者に向かって「やぁ信長君」と呼びかけても失礼に当たらない年齢です。
今まではドラキュラのごとき白面が私の七難を隠してくれていたのでしょうが、どうやら八難目にさしかかっている模様です。
しかしこのままなし崩しでおっさん化していくのも嫌なもの。
いっそおっさん化を加速して「渋いオヤジ」を目指すという手もありますが、これまでの文を読んでいただくとわかるように渋いと言われるにはキャラが軽すぎますし、 全身を渋くコーディネートするには予算が足りません。
そこで現状でできる手段として選んだのが「身ぎれいにしておっさん臭さをなくす」こと。
これまで鏡も見ずにカミソリの赴くがままに剃っていたヒゲはちゃんと鏡を見て剃るようにし、ついでに繋がりかけた眉毛の周りも剃ることにしました。
そして寝癖直しが整髪であるというぐうたらな思想は捨て、ヘアジャムなる文明開化の香り漂う整髪料を用いてナウなヤングの如くおしゃれな髪型を目指したのです。
その結果・・・ヒゲの方は何となくすっきりしましたが、髪型は「ナウなヤング」などという死語を使ってる時点でわかるようにたいした進歩はなく、若干のゆるふわ感を得るにとどまりました。
とはいえそれだけでも何もしないより遥かに良いもの。
十年も若返ったとは言いませんが五ヶ月半くらいは若返ったと言ってもJAROに訴えられることはないでしょう。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」というスラムダンクの名言もありますし、美味しさも加齢も諦めない限り試合は続くのですから、いつか勝利をつかめる日も来ることでしょう。
・・・って一体私は何の話をしているのだろう?