155号の当選番号は 002 010 070 125 179 です。
ギャンブル禁止
以前バラエティ番組で心理学の先生が恋愛のテクニックとして教えていたのが「五回に一回」というワザ。好きな相手に話しかけるチャンスが五回あったとしても一回は話しかけない。
もし話ができても五回に一回はそっけなくする。もし付き合えるようになったとしても、五回に一回はデートを断る。といった感じで二割くらいパターンを変えることで相手の気持ちを常に引き付けておくことができるといった話だったと思います。
これは心理学でいうところの「間欠強化」というもので、人はいつもうまくいくことよりも、時々期待通りにいかないことがあったほうが熱中しやすく、しかも冷めにくいものだそうです。
もっともこれはあくまでも平均値の話。
世の中には、何回期待を裏切られてもパチンコに通い詰めるツワモノタイプもいれば、たった一回女の子に無視されただけでこの世の終わりと絶望してしまうヘタレタイプもいるのです。
初心者は十回に一回くらいから始めて、二割が限度と考えた方がいいでしょう。
ちなみに、お菓子作りの世界でもこの「二割」という割合は重要な目安になります。
お菓子にはパウンドケーキやスポンジケーキなどに標準的なレシピがありますが、そのレシピから外していいのは大体二割が限度です。
甘さを控えたいからといって単純に砂糖を減らすことができるのは二割が限界。
それより減らすとパサパサになってしまうだけでなく、香りに深みもなくなってしまうのです。
また、パウンド生地にカボチャやお芋を練り込みたくても、ペーストで足すことができるのは二割位が限度になります。
それよりも多く入れるとべったりとした食感になってしまうので、調合を一から組みなおす必要があるのです。
ちなみに、当店のケーキで二割以上ケーキ生地以外のものが含まれているのは「ニューヨークチーズケーキ」と「ガトーショコラ」と「かぼちゃのタルト」。
ニューヨークチーズケーキは全体の半分がクリームチーズとサワークリームという極端なケーキですが、チーズはケーキ生地の成分であるバターに近い性質がある上に、もともと高配合のレシピが数多く作られているのでレシピを決めるのに苦労はありませんでした。
一方ガトーショコラは通常のレシピではチョコレートが占める割合が25%程度のものを31%まで増やしたのですが、元のままの調合では美味しく仕上がらず、結構何度も試作を重ねる必要がありました。
そして苦労したのがかぼちゃのタルト。
こちらはかぼちゃ分が43%にもなるので使えるレシピがなく、美味しいタルトができるまで、ハロウィンランタンが1ダースは作れるほどかぼちゃの屍の山を築いたのです。
たかが四割のために屍の山とは大袈裟なと思われるかもしれませんが、あんこに占める小豆の割合は生豆換算で六割程度しかないのです。
ケーキで四割というのは、割と限界に近い量だと思います。・・・と、ここまで書いて気になったのは「まるごとバナナ」。
これは生地に練り込んであるわけでは無いのですが、その名に恥じぬ程バナナ感たっぷりのケーキです。
これには何%のバナナが含まれているのでしょう?
早速コンビニに行って購入し、分解解剖して調べてみたところ、何とぴったり40%。
もっとたくさん入っているかと思ったのですが、クリームもかなりの量が入っているようです。
ともあれこれでわかったのは、我がカボチャのタルトは「まるごとカボチャのタルト」と名乗ってもいい程カボチャたっぷりだということです。
ところで、分解解剖したケーキはどうなったのか?気になる方もいるでしょう。
安心して下さい、はいってますよ(胃袋に)。
バラバラに解剖されたケーキは専門家の手によって復元され、夜食として美味しく食べさせて頂きました。
しかし、こんな夜遅くにハイカロリーなケーキ。
とにかく明るい安村氏のセリフだけでなく、体型までパクってしまうことになるかもしれません。
ちなみに、このカボチャのタルトより高配合だったのが先月のデザートに作った「栗のタルト」。
栗の香りを出すために栗を48%も入れたのですが、カボチャよりたった5%増やすために人柱になった栗は数知れず。
これほど沢山の失敗作を出してまで新作を作ろうとしてしまうのは、やはり間欠強化の賜なのでしょう。
ただ、気になるのは失敗の数。何度失敗してもつい夢中になって作ってしまうのですから、私はツワモノタイプの人なのでしょう。
決してギャンブルには手を出さぬように心がける必要があるようです。
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