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夢見る頃を過ぎても
最近ちょくちょく大学時代の夢を見ます。
そしてそれはたいてい楽しいキャンパスライフではなく、期末試験の当日に焦りまくっている夢。
単位を落とすと非常に気まずそうなテストなのに、まるで準備ができていない。不安におののきながら教室に入ると誰一人知った顔がいない・・・。
教室を間違えた!・・・なんてあたりで目が覚めて、ほっと胸をなで下ろしたことが何度かありました。
ここでふと気になったのですが「夢」という言葉。
今書いたような眠ってる間の幻想の意味と、将来の願望の二つの意味があります。
英語でも同じように二つとも「Dream」なのですから何か関連があるのかと調べてみると、意外な事実が判明しました。
実は日本語には本来、「夢」に願望の意味はなかったのです。
ところが江戸時代、蘭学者がオランダ語の翻訳をしているとオランダ語の「Droom」には幻想と願望の意味があり、そこに「夢」という訳語を入れたのです。
そして、維新後に入ってきた英語の「Dream」も同じように夢と訳し、それが一般にも広まったというのです。
どうやら欧米人は眠っている時に将来の願望を夢見ているらしい・・・と思いきや、この二つの意味があるのはオランダ語やドイツ語や英語といったゲルマン系の言語のみ。
フランス語やスペイン語などのラテン系やロシア語などのスラブ系では古来の日本語同様「夢」に相当する言葉に願望の意味はありません。
中国語にも「夢」に願望の意味はありませんから、たぶんゲルマン民族だけが眠っている時に将来の願望を夢見ているものと思われます。
では日本人はどのような夢を見るのか。
私の個人的見解ですが、日本人の夢は実生活とのバランスをとっているのではないかと思います。
つらつらと思い返してみると、楽しかった時や充実している時は夢なんか見ていません。
いや、きっと見ているのでしょうが、起きた瞬間に忘れる程度のものなのでしょう。
しかしつらかったり退屈している時に見る夢は楽しくて起きるのがいやになる程。。。。
中庸を重んじる日本人はこうやって心のバランスをとっているのではないかと思うのです。
では、冒頭のテストの夢はどこから来たのか。
私はゲルマン系ではありませんから将来の願望ではないでしょう。
たぶんこれはバレンタインの反動だと思います。
今年のバレンタインはとにかく忙しかったのです。
何と言っても大変だったのは通販を始めたこと。
通販のページを立ち上げるのも大変でしたし、実際に注文が入ると次々に不具合が発覚したのです。
しかも意外に注文が多い・・。
宣伝なんか一切うっていませんから、通販を始めたことを知っているのは店舗に来られたお客さんを除けばフェイスブックとブログを見た人だけでしょう。
店舗に来られた方は直接買えばいいわけですから、通販の注文をされたのはフェイスブック繋がりの人がほとんど。
しかし私は客商売にあるまじきほど社交性がないので、フェイスブックの友達なんてたいした数はいません。
しかも、お客さんを除けばそのほとんどは福岡県に住んでいた中高生時代のクラスメイト。
AKBメンバーが誰一人として生まれていないような昔に数回会話しただけの人がほとんどです。
だから、ネットの注文なんてほんの数件だろうと高をくくっていたら、福岡県民はよほど義理堅いらしく予想を遥かに超える注文を頂いてしまったのです。
そんなわけでバレンタインまでの2週間は、慣れないネット販売で大騒ぎ。
販売ページのプログラムミスもありましたし、商品の入れ忘れなんてこともありました。
その上、当然のことながら作るチョコの量も増えたわけですから、気も休まらなきゃ体も休まりません。
終わった後に少々気が緩んでしまったのも致し方ないと言えるでしょう。
そしてそんな緩んだ気持ちのバランスをとるべく、脳の方が気を利かせて焦りまくる夢を見させているに違いありません。
さてさて、そんなバタバタとしたバレンタインでしたが、おかげさまで大好評。
特にお茶三昧生チョコとパテ・ド・ショコラは通年で販売して欲しいという声も多々寄せられています。
確かに、世に焙じ茶チョコは数あれど、パティシエ自らが直前に焙じたお茶で生チョコを作っているところは寡聞にして知りませんし、パテ・ド・ショコラに至っては全くのオリジナルですから他で手に入るわけもありません。
そんなわけで、販売の再開を検討しているのですが、ネックになっているのがパテ・ド・ショコラ。
ガナッシュの中にブラックビスケットと2種類のパート・フリュイと3種類のギモーブと4種類のナッツが入っているという非常に手の込んだチョコなのです。
夏にはパフェ祭りもあるというのに、これを通年で作り続けることができるのか。
そんな不安もあって二の足を踏んでいる次第なのです。
しかし試験の夢で目を覚ますのも、もうこりごりです。
まぁ、バレンタインの時ほど売れることもないでしょうが、もしかしたら世界的に大ヒットして、ドバイのホテルで豪遊できる身分になれるかも知れません。
多少の苦労はあるでしょうが、ドバイを夢見て近いうちに販売を再開することにしましょうか。