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吠えたら負け


三月の後半にやった「スペシャル苺ショートパフェ」はつらかった。。。

「苺ショートパフェは今まで何回かやったから」というだけの理由でスペシャルと付け加えたのですが、スペシャルという以上、少なくとも年末にやった苺ショートパフェよりもスゴイものを作らなければなりません。

しかし、大好評だったあの苺ショートパフェを上回るパフェなんか、そう簡単に思いつくものではありません。

考えに考え、耳から煙を噴くほど考えてもまだ浮かびません。目からビームを発するほど考えてもまだ浮かびません。

口から危うく雷音声を発する寸前でやっと思い浮かんだのが、一番上のアイスにクリームを塗ってスライスした苺を貼り付けていくというワザ。

最終的にはアイスを木苺シャーベットにしてスプーンを入れたあとの断面も美しくなるように仕上げたのですが、そこまでたどり着いたのが新作が始まる前日の夕方。

ここまで引っ張ることなど滅多にないのですが、それだけの価値がある仕上がりになりました。

もう今では食べることのできないパフェですが、気になる方は当店HPのデザートギャラリーをご覧いただきたい。

さて、ここまで読んだ多くの方がモヤモヤしているであろうのが「雷音声(らいおんじょう)」という耳慣れない言葉。

私と同年代ならば読み仮名を見た時点で思い出した方もいるかもしれませんが、これは昭和四十年代に放送された「怪傑ライオン丸」で使われた必殺技の一つ、百キロ先まで届くという大音声のことです。

百キロといえばここから浜名湖や琵琶湖のあたりまで届くという、電話代の節約にはもってこいのワザですが、必殺というイメージは浮かびません。

しかし、雷の音ですら十キロも離れると聞こえなくなるというのですから、ライオン丸を取り囲んだ大魔王ゴースンの手下達にとっては耳元で雷が鳴ったも同然。

バタバタと倒れてしまったのも致し方ないといえるでしょう。

さてさて、ここまで読んだ方がもう一つ浮かぶであろう疑問は、なぜ『危うく』という副詞を『雷音声を発する』の前につけたのかということでしょう。

イヤイヤ誰もそんな疑問なんか思っていませんがな」という声が聞こえたような気がしますが、解説させていただきたい。

雷音声が危険であるのは必殺技であるのだから当然です。

しかしこの雷音声、敵に対してのみならず、発する自分自身に対しても、とっても危険なワザなのです。

例えば15メートル先の敵が雷音声で悶絶したとします。しかしこの時、この大音声は自分自身の耳にも届いているはず。

その距離わずか15センチ。

音のエネルギーは距離の二乗に反比例しますから、自分自身の耳が受けるダメージは敵の一万倍。

ライオン丸ならば半端ない毛量のたてがみが耳を守ってくれるかもしれませんが、私には申し訳程度の耳毛しか生えていません。

そんなわけで、もしあの時雷音声を発していたら確実に私自身が悶絶し、「スペシャル苺ショートパフェ」は生まれなかったことでしょう。

と、明らかにどうでもいい話を延々と書き連ねてきましたが、書くべきものは過去のパフェでもライオン丸でもありません。

ここで書くべきなのは未来のデザート。

これを書いている時点でやっている「春色和風プレート」の後には「苺ティラミスパフェ」「お茶三昧パフェ」「チョコとオレンジのパフェ」とパフェが目白押しです。

しかもゴールデンウイークの五月三日から八日までは「お茶三昧パフェ」と「チョコとオレンジのパフェ」が重なる上に定番の紅茶パフェがあるという「パフェ祭り」状態のスペシャルウィーク。

楽しみにお待ちください!!

などと勢いよくダブルで感嘆符をつけたものの、例によって内容はまだ決まっていません。

一応ざっくりとしたイメージはあるのですが、スペシャル苺ショートパフェの時だってその程度のイメージならあったのです。

しかし今回は「スペシャル」なんて付いていませんから、耳から煙が出るくらいまで考えれば、きっといいパフェが思いつくことでしょう。

もし私の耳から煙が出ていても「受動喫煙が・・・」などと騒ぐことなく、大きな気持ちで構えておいていただきたい。

と、軽く締めくくってみたものの、若干の不安があるのもまた事実。

最近トシのせいか、ついやり過ぎてしまうことが多いのです。

例えば最近体力不足が顕著になってきたのでスポーツクラブに通い始めたのですが、初めて触れるトレーニングマシンに舞い上がり、ついついやり過ぎてしまっています。

これを書いている時点で通い始めて三週間ほど経つのですが、この間筋肉痛がなかった日など二日くらいしかありません。

若者と違って回復が遅いのですから、このままでは体力が付く前にどこかを痛めるのではないかと不安です。

こんな調子ですから、スペシャルウィークもつい張り切り過ぎてしまうのではないかと思うのです。

スペシャル苺ショートパフェの時には何とか雷音声を発する前に思いつきましたが、今度は大丈夫でしょうか?

もし、ゴールデンウィークの前に、耳をつんざくような私の咆吼が聞こえたら・・・・

その時には新作パフェは諦めていただきたい。。。。



KURIKURI