183号の当選番号は 047 112 118 127 178 です。
○○になる
「似て非なるもの」という言葉があります。
ネタ的にはハリセンボンの近藤春菜さんと角野卓造さんが例に挙げられる事が多いようですが、ぱっと見同じに見えていても本質的な「何か」が違うものをさす言葉です。
確かに先の例もぱっと見で区別をつける事は難しいですが、本質的には性別が違います。
また外見上は全く同じ「たまご」であっても、生物的な意味合いとしては「卵」を用い、食事として使うものは「玉子」を用いるという定義があります。
従ってシャケのものだろうがウミガメのものだろうがトリケラトプスのものであろうが、それを食べる気でいるならば、それは「卵」ではなく「玉子」と表記するのが正しく、これは「似て非なる」というより「同じで非なる」とでも言うべき例でしょう。
そして最近知って驚いたのが「焼き肉」と「バーベキュー」の違い。
野外で食材を焼きながら食べればそれがバーベキューだと幼き頃から信じていたのですが、日本バーベキュー協会の定義によれば、それはバーベキューではなくただの「焼き肉」or「焼き野菜」。
バーベキューとは、きちんと全て焼き終えて、皿に盛り付けから一斉に食べ始めるものなのだそうです。
う~む。
正しくはそうなのかもしれませんが、それってなんか学校行事の野外学習かなんかでやっていたようなイメージがあり、「バーベキュー」という言葉が持つワイルド感に欠けるような気がします。
やはりバーベキューと言えば、苦労して火をつけた炭火の上にデカイ金網と大量の肉を乗せ、したたり落ちる脂で吹き上がる炎の中に割り箸を突っ込み、生肉とも消し炭ともつかぬ物体を口に放り込む瞬間にこそ醍醐味があるというものではないでしょうか?(個人の感想です)
ともあれこれは、似て非なるものというか、よもや非なるものとは思わなかったという例になるのではないでしょうか。
そして非なるものと言えば、当店のハヤシライスは、厳密に言うとハヤシライスではありません。
ハヤシライスのソースは本来、薄切り牛肉と野菜などを炒め、それにトマトベースのデミグラスソースを合わせて作るものです。
それに対してウチのは牛肩ロース肉のでっかいブロックを赤ワインと醤油で煮込むところから始まります。
そしてその煮汁でデミグラスソースを伸ばし、たっぷりのトマトソースを加えた後にサイコロ大に切り分けた牛肉を入れてさらに煮込んで作るのです。
従ってこれは通常のハヤシライスのソースとは「煮て非なるもの」と言うべきでしょうか。
ともあれ「ハヤシライス」と言うよりも「ビーフシチューライス」といった方が近いような作り方なのですが、たっぷりと加えた醤油と隠し味に使っているカルピスの甘みのおかげで、ご飯と一緒に食べるのにぴったりの美味しさに仕上がっているのです。
そしてこのハヤシライス(仮)は美味しいだけではなく、健康と美容にも配慮して作っています。
詳しくはメニューの「アンチエイジング」の項に書いていますし、HP内にあるエッセイのバックナンバー「ハヤシでプルプル」にも書いてありますので、興味のある方は読んで頂きたい。
また、もう一つ似て非なるものと言えばパフェ。
二週間ごとに出す新作に加えパフェ祭りや栗まつりでは毎週新作を作っているので、年間三十種類ほど新作がでています。
パフェ自体については常に同じものを作らないように気をつけているので同じものはないはずなのですが、同じ名前を何度も使い回す事がよくあります。
しかし全く同じ名前を何度も使うとさすがに後ろめたくなるもの。
そこで、「チーズ」を「フロマージュ」に変えてみたり「スペシャル」とか「贅沢」とかを頭につけたりと一応工夫はしているのですが、よく似た名前を連発しているのは間違いありません。
しかしたとえ名前が同じであろうと、中身が同じパフェは一度たりとも作っていません。
毎回何か新しいものを取り入れたり、新しい組み合わせにチャレンジしたりと、何かしら非なるところを作っているのです!
と「!」付きで断言したのですが、数百種類も作っているとさすがに昔の記憶が怪しくなります。
トシのせいもあるのでしょうが、本人的には「新しい手法を取り入れたぜぃ」と思っていたことが、実は過去に試していたことも何度かあったのです。
一応同じ名前のパフェを作る時には過去のパフェの写真を確認しているので、今のところ全く同じパフェを作った事はないのは間違いありません。
しかし、これからもそれが続けられるのかとなると、若干の不安があるのもまた事実。
新しい技法や新しい組み合わせを今後も思いつくかという不安もあるのですが、一番の不安はオノレの記憶力。
最近、冷蔵庫を開けた途端に何を取り出すのか忘れてしまったというような事が多々起こっているのです。
この体たらくですから、名前が似たものはちゃんとチェックしていても、過去に作った全く別の名前のものと同じパフェを作ってしまう可能性は否定できません。
もしかすると、これからこのような「非て似なる」パフェができてしまうかもしれませんが、過去の事は忘れて新しい気持ちで味わって頂きたい!