206号の当選番号は 044 052 066 169 191 です。
無くなる前に
新年を迎えたと思ったらもう二月。
そして二月といえばバレンタイン。と、いうわけで行ってきましたアムール・デュ・ショコラ。
去年は日本一の売り上げを記録した、名古屋が誇るチョコの祭典です。
十年ほど前はこの女性ばかりのバレンタインイベントに行くのに、女装して行かなければ変態扱いされるのではないかと不安に駆られたものですが、今はもう慣れたもの。
できる限り沢山の試食をしようと、冬ごもり明けの熊のごとく腹を減らして名古屋へ向かいました。
ちょうど十時ごろに到着し、開店直後だから空いているだろうと思ったら甘かった!
会場のある十階に着いたら、会場も見えないのに行列があるのです。
行列の最後尾には有名パティシエの名前が書かれた立札を持った店員さんがいたので、どこの行列かは分かったのですが、その先頭がどこであるのかは見当がつきません。
とにかく、十時をちょっと回っただけなのに、恐ろしいほどの人混みなのです。
その人混みをかき分けて、やっと会場にたどり着いたのですが、当然そこは人の海。
人の頭が密集しているところが通路で、まばらな所が売り場ブースなのでしょう。
まずはウチのチョコと方向性が似ている辻口シェフのブースに向かったところ、意外にも行列が短い。
喜んで並ぼうと思ったら、最後尾の人の後ろに柵があります。
聞けばそこはまだ最後尾ではないとのこと。
どうやら行列が長すぎて他のブースの妨げになるので、残りの列はどこかよそにいるようです。
そこで、それはどこかと聞こうかと思ったら、近くのエスカレーターから降りてくる人の群れの先頭にこのブースの立て看板を持った人がいるじゃないですか。
どうやら続きは上の階で待機している様子。
今までにも行列を途中で切って、分かれて並んでいるのは見たことあるのですが、階をまたいで並んでいるのは初めて見ました。
今や行列は二次元に限るものではなく、三次元にまで展開している様子。
近い将来ドラえもんのポケットを使った四次元行列が現れることでしょう。
そんなことはどうでもいいのですが、とにかく人気店には近づけません。
しかし、試食もせずに高級チョコを買いまくるなんてお大尽な真似は、来世に転生してもできそうにありません。
そこで穴場的チョコを探して試食の旅に出たのですが、なかなかこれといったものに出会えません。
最近異国のショコラティエも抹茶や柚子といった和素材に手を出しているのですが、なんかまだこなれていない感じがして、いまいち買う気になりません。
やっぱ和素材なら日本のお店ということで、パレドオールのチョコを買ったのですが、なんか物足りません。
せっかく世界の最先端チョコが集まっているのですから、いつもは買えない異国のチョコを買いたいじゃないですか!
そんなわけでチョコまみれになった舌を叱咤激励して(一応駄洒落です)試食を続け、ついにたどり着いたのが「ジャン=ミッシェル・モルトロー」。
試食させていただいた塩チョコが濃厚でありながら涼しげに香り、そして飲み込んだ後は潔く甘さが消えていくのです。
まったくノーマークのショコラティエでしたが、試食のチョコがのどを通り過ぎる前に購入を決めたおいしさでした。
ほかにも何点か買って帰ったのですが、今年のアムール・デュ・ショコラで感じたのはフルーツガナッシュのおいしさ。
KURIKURIでも今年はギモーヴとパート・ド・フリュイを使ったチョコを出したように、チョコとフルーツはバランスさえ間違えなければ相性抜群です。
私としては、フルーツの鮮烈さをきっちり出したかったので煮詰めた果汁で作るギモーヴやパート・ド・フリュイを選んだのですが、異国のショコラティエ達はガナッシュの中にフルーツを混ぜ込むことを選んだようです。
どちらが上ということもないのですが、フルーツガナッシュもやりようによってはウチらしい美味しさが出せる気がします。もしかすると、来年はフルーツガナッシュのチョコを作るかもしれません。
さて、話は変わりますが当店のホームページ。
Googleで検索すると、いまだに古い方のurlに行ってしまい表示ができないようです。
以前使っていたYahoo!のホームページサービスが終了してしまったので独自ドメインを作り、その旨Googleに連絡してあるのですが、いまだ検索には反映されていないようです。
検索の際には「KURIKURI」または「くりくり」で検索して、最初に出てくるGoogle店舗案内の「ウェブサイト」をクリックすれば新しいurlに行けますので、検索の際にはそちらの方をお使いください。
ホームページには新しいパフェやランチや臨時休業といった情報のほか、このエッセイのバックナンバーも当選番号付きで載っていますので、ぜひ一度お立ち寄りください。
それにしても、まさか業界最大手のホームページサービスがなくなるとは思いませんでした。
とはいえ、栄枯盛衰は世の常。
アムール・デュ・ショコラでも、かつて行列していたのに見かけなくなってしまったお店もあります。
当店も今はたまに満席で入れなくなることもありますが、いつか消えてなくなってしまうかもしれません。
ホームページで好みのパフェが見つかったら、万が一入れなかったとしてもまたチャレンジしていただきたい!