227号の当選番号は 003 109 143 159 163 です。
抗老化美味募集中
先月号のエッセイで「宇宙戦艦ヤマト」のネタを使ったのですが、その時色々調べていて驚愕したのが沖田艦長の年齢。
何と52歳(初期設定)なのです‼
もし艦長コートが黒&赤ではなく赤&白だったなら、絶対サンタさんと間違えられそうなあの風貌。
とっくに赤いちゃんちゃんこを着用済だと思うじゃないですか。
それがまさか私よりも若造だったとは…
やはり人類滅亡の危機に直面した人は年輪の重ね方が違います。
とはいえ私だって苦労をしていないわけじゃありません。
特に今年の夏。パフェ祭りの三か月で10種類もの新作パフェを作らなければならなかったのに、感染拡大のために食べ歩きどころか外出すらもままならなぬ状況だったのです。
ネットにある様々なパフェ画像を見て味や食感を想像するというリモート食べ歩きでイメージを膨らませ、それらをいくつか組み合わせて新作パフェを作るという、昭和の男にとっては未来すぎる製作方式をとらなければならなかったのです。
しかもそのさなかに製氷機は壊れるは、冷凍庫は壊れるは、最後にはアイスクリームマシンまで壊れるといった艱難辛苦のオンパレード。
これにエッセイの締め切りまでも重なったりして、「もはやこれまで!」と諦めかけたこと数知れず。
マスクの外側はあまり変わっていませんが、マスクの中は十年ほど老け込んだものと思われます。
今後マスクが不要になった時、口元だけがおじいちゃんになっている姿を見ても驚かないでいただきたい。
ちなみに先月号のエッセイは、店内のマガジンラックに二年分程のバックナンバーを入れたファイルがありますのでそこでご覧いただけます。
また、HPでは全バックナンバーを読むことができます。初期のたどたどしい文体に始まり、様々なエッセイストの文体をパクる時期を経て、オノレの文体を確立していくまでの過程がつぶさに見て取れますので、卒論の題材に「KURIKURI文学史」などいかがでしょうか?
そしてさらに、過去のエッセイの中から私のお気に入りだけを集めたエッセイ集「パフェのおいしい食べ方」の電子書籍がAmazon Kindleにて自っ賛発売中です。
無駄な笑いに飢えている方は、ぜひともご購入いただきたい!
ともあれ、いろいろ苦労をしまくったような気がしていましたが、諸外国に目を向けてみると、何と我が国は恵まれていることか。
コロナ禍にありながら、お客さんに店内で食べていただける幸せよ。
途中どんなに苦労しようとも、パフェを前にしたお客さんの笑顔を見れば、こっちまで幸せな気分になるじゃありませんか。
こんな幸せが得られるのも、よその国に比べて圧倒的にユルユルの規制の中で、桁違いに低い感染率に抑えることができたから。
そしてこれが可能になったのは、太古の昔より神域に入るときには手を洗う習慣のあった清潔な国民性によるところが大きいのではないかと思うのです。
そこでちょいと調べてみたところ、やはり日本は他国に比べてかなり早い時期から清潔な暮らしをしてきたようです。
例えば江戸の町民たちは家屋に入る前に手足を洗うのが一般的でしたし、徳川綱吉の時代にやってきたドイツ人医師がトイレの清潔さに加え手洗い用の水まで用意されているのに驚いたという記録があります。
一方ヨーロッパに目を向けると、手洗いの大切さに気が付いたのは幕末近くになってから。
ウィーン総合病院の産科に勤めていたゼンメルワイス医師が、医師が赤ちゃんを取り上げるより助産師が赤ちゃんを取り上げた方が圧倒的に産後の経過がいいことに気付いたのがきっかけです。
当時ヨーロッパには手洗いの概念がなかったために、日常的に死者や病人に触れる医師の手にはたくさんの菌やウイルスが付着していたのが原因だったのです。
ただ、当時はまだ細菌が発見されていなかったために、「医師の手」が病気のもとになっているという彼の説は医学界に受け入れられず、医師の手洗いが一般化したのは彼の死後になってから。
そして庶民の手洗いが推奨されるには、さらに百年以上の時を要したのです。
これはほんの一例ですが、このような衛生観念の差が今日の感染状況に反映されているのではないかと思います。
ただ、最近感染者の激減に伴って、少し気が緩んできたような気もします。
KURIKURIは神域ではありませんが、入店の際には手指の消毒を行っていただけるようお願いします。
もし、そこで忘れても各テーブルに消毒液がありますし、おしぼりは抗ウイルス仕様です。
これからも店内飲食が楽しめるよう、皆さんのご協力をお願いします。
そして私も、このタイミングで色々食べ歩きに行ってきました。
やはり実食はリモートと違って次々にイメージが湧き、新ネタをいくつも思いつくことができました。
ただ、その後の新作パフェにめいっぱい詰め込んでしまったため、あっという間に底をつき。。。
しかも11月は色々用事があるため、あまり食べ歩きの時間がありません。
そうこうするうちにまた感染者が増えてしまったら、またネタ詰まりの日々が続き、口元のみならず全身の沖田艦長化が進むかもしれません。
効率よく食べ歩きをするために、美味しいものの情報があればぜひ教えていただきたいm(_ _)m。