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Am I Tom?
朝、店のシャッターを開けた時点でもう道路が揺らめいて見えるほど猛暑の日々。
パフェが一番美味しいシーズンの到来です。
と、いうわけで定番の KURIKURlパフェに代わって四週間ごとに切り替わるシーズンパフェ始めているのですが、これがけっこう大変なのです。
シーズンパフェが出る週は二週間ごとに切り替わる期間限定パフェが出ない週。
と、いうことはその前後で三週続けて新作パフェが出るということなのです。
パフェの全種制覇を目指しているお客線にとってもけっこうハードスケジュールになると思うのですが、作る側としても毎週新作を生み出すのは至難の業。
通常の二週間おきだと間の週の休日に情報収集にお出かけして何らかのヒントを拾ってくるのですが、毎週新作だとそうはいきません。
雑誌のデザート特集とかネットのパフェ画像を検索したりしてイメージを膨らませるのですが、だいたいギリギリまで決まりません。
「ええい、毎週新作なんて不可能じゃ」と叫びたくなることもあるのですが、そんな時に脳内に流れるのが「ミッション・インポッシブル」のテーマソング。
残り時間一桁の起爆装置が目の前にあろうが超高層ビルから落下しようが、何事もなかったの如く乗り切ってしまうイーサン・ハントの姿を思い浮かべると、何となく自分も上手く行くんじゃないかと思えるのです。
そんなイーサン・ハントを演じているトム・クルーズは御年61歳。
何と私よりも二つも年上なのです!
今上映している最新作は二年前に撮ったそうなので、当時の彼と今の私は同い年。
それなのに、走るし飛ぶし戦うし、オマケに見た目も若いこと!!
20歳以上も若い女優さんと共演しても全く見劣りしないじゃないですか。
しかも彼は書かれた文章が読めない失読症という学習障害がある上に、身長170センチと欧米人にしては小柄な体。
こんなハンデを背負っていながら、それを全く感じさせない彼の演技の素晴らしさは、我々オッサン世代に大きな勇気を与えてくれるのです。
そんな彼の勇姿を鑑賞すべく映画館に足を運んだのですが、そこで気が付いたのが都市部におけるマスク着用率の低さ。
うだるような暑さですから街ゆく人々がマスクを外しているのは当然として、飲食店の店員さんでもマスクなしの所がかなり多いのです。
当店としては、このあたりではまだまだマスクをしている人が多いので、今はまだマスクなしの接客はできません。
しかし、近いうちにマスクを外し、全開の笑顔でパフェを運ぶことができることでしょう。
そこで、超個人的朗報です。
以前このエッセイで長いマスク生活のために口元だけが老人化したという話を書いたのですが、その後の口元筋トレの結果、なんとかコロナ前の口元にまで復活したのです。
トム・クルーズ程の若々しさはありませんが、波平さんよりかは若いハズ。
仮に、今ここで私がライダーマン*に変身したとしても「ライダー爺」と呼ばれることは絶対に無いと断言できます(*ライダーマンは他の仮面ライダーたちと異なり口元だけが人間のまま)。
ただ、ちょっと気になっているのがその口元筋トレ。
今はマスクをしているので、マスクの下で結構自由に口元の筋肉を鍛えているのですが、マスクを外すとそうはいきません。
筋トレ時間が短くなったことで、また老人化がぶり返してしまわないかが心配です。
そして何より心配なのが、マスクを外したことを忘れてお客さんの前でこの口元筋トレをやってしまうこと。
もし、ふと目をやった先で私がヒョットコのような顔をしていたとしても、パフェを吹き出すことのないように心がけて頂きたい。
そして、そんな風に映画を見に行けるのは最近ほぼ週休二日にさせてもらっているおかげ。
休みが一日しかないと仕込みで半日はつぶれてしまいます。
二日あってもパフェの切り替えの週には仕込みに加えて試作三昧になるため出かける暇はないのですが、切り替えさえなければ一日は完全自由時間。
映画を見ることも全力でゴロゴロすることもできるのです。
お客さんとしては、せっかくのパフェシーズンにお店が休みだと予定が組みにくいかもしれません。
しかし、これからも末永く美味しいパフェを作り続けていくために、夏の間はほぼ週休二日になることをご容赦願いたい。
さて、上の文章を読み返してふと思ったのが、私とトム・クルーズとの共通性。
年は近いし小柄だし、しょっちゅう不可能に挑戦しています。
見た目はトムほど若くはありませんが、心優しき我が体組成計は私の体内年齢を二十代前半と 大甘の判定をしてくれていますから、同じようなものだと言えるでしょう。
また、私は字が読めないことはないのですが、 学生時代よく先生から「お前の字は読めん」と文句を言われていましたから、似たようなものだと言えなくもありません。
異なる点といえば、走れないし飛べないし戦えないくらいのこと。
国籍こそ違え、ほぼ同一人物だといっても過言ではないでしょう。
これからは「多治見のトム」と呼んで頂きたい!!
と、豪語したものの「多治見のトム」と聞いていったい何人くらいがトム・クルーズを連想するでしょう?
「日本のトム」ならまだしも、あまりにもスケールが小さすぎます。
たぶんこの「トム」から連想されるのは九割方が「ネズミにおちょくられてるネコ」の方でしょう。
しかも、よくよく読み返してみれば共通点より相違点の方が多い。。。
仕方がないので、これからも単に「マスター」と呼んで頂きたい。